気のときにも書きましたが、気という用語は東洋哲学用語であり、これを医療に応用したのが、東洋医学になります。ということで、東洋医学は東洋哲学の考え方が根底にあるということが出来るのですが、東洋哲学用語で東洋医学に用いられている考え方はいくつかあるので、それを紹介したいと思います。
・人と自然は共存している(天人合一思想)
東洋哲学思想には、天人合一思想(てんじんごういつしそう)というものがありますが、これは人が自然の中で生きているので自然の影響をうけているという意味で、天と人が調和・一体としているという意味です。
雨が降り、天候がよければ食べ物がよく成長するので、営養があるものを取ることができ、気分よく散歩に出ることによって精神的にも身体的にも健康な状態を保つことができますよね?
それに人の生活にも自然というものは非常に大切なものであり、農耕というものも自然の力を借りるので、春に種をまいて、秋に収穫をするという自然に合わせて行っているものです。現代の住宅というところにはつながりづらいですが、日本には日本家屋があり、それぞれの地域には、その地域の風土にあった家屋を作るというのが人の自然な姿ですよね。
専門書を読むと、他にもいろいろな意味を含むということが書かれていますが、これは人と自然が調和または一体であるということに対して、様々な具体例をあげながらの説明になるので、文章量も多く、学習しようとすると根気負けしそうになります。私も農耕・家屋という説明の文章を入れたので長いですよね。
・気との関係
天人合一思想は哲学の用語になるので、基本の意味を抑えれば後はどういうことかを考える応用になるのは、“気”と同じです。例えば、人と自然が一体というのには他にどんなのがあるかといえば、人は感情が変化をして、粗ぶったり、静かになったりしますが、自然は天気・天候ということで、悪天候になれば粗ぶり、晴天・無風になれば穏やかにもなりますよね。そして、悪天候がひどければ、気分が落ち込むことがあり、穏やかな気候であれば、気分もいいですしね。
穏やかな気候であれば、ゆったりするということで、日本だとウチナータイムや島時間ということで言われることがありますよね。もちろん、仕事などの外部の環境によっては、そうではないということもあるとは思いますけどね。
このように考えていくと、天人合一思想は、人と自然が調和・一体になるのですが、それをまとめてしまえば、全ての物は一つとすることが出来るし、一つであると考えれば、“気”であると言うことも出来ますね。
これが全ての物が一つであり影響し合うという東洋哲学・東洋医学の基本の考えで、“気”が根底にあります。ただ全てが気であるとしたら、病気の時も「気のせい」ということだけで終わってしまい、診断につながらないので、他の東洋哲学の思想が含まれているので、引き続き説明していきます。