東洋医学の血と現代医学の血液の違いは?

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東洋医学では身体の中にある気、血、水(津液)で何が生じているのかを診断することが大切とされています。気については書いたので、今回は血に関して書いてみたいと思います。

東洋医学で言う、血は現代医学で言う血液とは少し違いがあります。現代医学で言う血液は脈の中に流れている液体成分になります。東洋医学で言う血とは脈の中に流れている赤い液体という意味があり、現代医学と同じような意味になるのですが、大きな違いは、身体を栄養する働きと身体を冷やす働きがあるとしています。

 

なぜ、このように現代医学と東洋医学で同じような言葉が使われているかといえば、もともと日本では東洋医学が中心であったのが、現代医学が西洋医学として入ってきたときに、東洋医学で使われていた単語を流用したことによって同じ単語が使われていても意味が違うという現象が生じるようになったためです。

 

現代医学では血液は酸素などの物を運ぶ物として捉えているので不足したら輸血という行為で補充をすることになります。代わって東洋医学では、身体を構成する重要な物になり、自分で生成する物なので、外から補うというよりは、作れるようになることを中心として考えていきます。

 

もちろん、大量に出血してしまえば死んでしまうというのは分かっていたと思いますが、他人の血液を入れても生命を助けることが出来なかったという経験から血はその人本来の力が重要だという考えになったのだと思います。現在ならば血液型を合わせないといけないと分かりますが、昔は検査機器もないので分からなくて当然ですよね。

 

分からないけど無くなったら死ぬとして考えられた血は、不足した人の観察をすることによって、身体を栄養する働きと冷やす働きがあるとしているのですが、分かりやすいのは顏色になります。我々黄色人種では肌の色は黄色ですが、血の働きによって黄色ではなく赤みがさした状態になり、顏色に血色があることで正常と判断します。もちろん、顔色は営気も関係するのですが、気か血かと考えたときには、血の方が影響が強いので、営気の問題でもあるが、血の問題と捉えることになります。

 

お化粧でも、チークを入れると明るくて健康そうに見えるので多くの方が行っていますし、ルージュとしても赤色の傾向が好まれ、寒色は用いられないですよね。もし、青色のルージュをしていたら、不自然に感じて二度見をしませんか?

 

この血の考えと気の考えを合わせることによって、元気がなければ、生命力の低下とも関係しますが、顏色(血色)がよければ気だけの問題で血に影響がなかったと考えられるので、身体の状態をより深く把握することが出来ます。

 

さらに血と肝経が深いところには、目があるので、視力が低下しやすいとか疲れ目が生じやすいのであれば、血の異常が生じたのではないかと考えることが出来ます。他には筋との関係が密接なので筋の痙攣や、つってしまう状態であれば血の問題が生じたのではないかと考えることが出来ます。

 

他には月経とも関連しやすいので、月経が遅れてしまい、月経血の量が少ないのであれば、血が不足したのではないかと考えることもできます。他にはよい睡眠を取るには血が必要で、精神的に安定するには血が重要とも言えるので睡眠の状態も確認することが東洋医学では大切になっていきます。

 

気と血が複合した状態であれば、

「風邪をひいてだるくて、声が出しづらい。何となく眠れないし、夜に足がつりやすい。」

という方がいた場合、東洋医学を学習していなくても、ちょっと体調が悪すぎかもと感じませんか?

これを東洋医学では気血が問題になってしまった病変として考えていくことができ、気だけではなく、血にも問題があると伝えることが出来ます。

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