鍼灸を受けたことない人から質問をされる場合、
「鍼って痛くない?」
というのが一番多いのではないでしょうか。私自身、この質問は何度されたか分からないですし、現在も質問されることが多いです。
結論から言えば、ほとんど痛くないです。もちろん、身体には無数に神経が存在するので、全てを避けることも不可能なので、痛いときもあります。その場合は、すぐに鍼を抜き、圧迫をしてもらっていれば、痛みは軽減していきます。
皮膚が敏感な人などは痛みを感じやすいということはあるかもしれませんが、尖ったものが少し当るような痛みとして感じる程度なので、受けてみると意外に痛くないと言われる方が多いです。
何回か受けた人は、痛いこともたまにあるけど、ほとんど痛くないというのを体感しているので、それは痛いなどとはっきりと言ってくれることも多いので、その場合は、鍼を抜き、場所を変えたりして治療を続けています。
鍼に上手い・下手があるのは事実で、私も鍼灸学校に入学して初めて鍼をしたときは、痛かった思い出があります。学生時代は痛みも強いので、鍼をあまり受けたくなかったのですが、自分自身で練習したのと、同級生もだんだんと上手くなってくるので、
「ちょっと鍼してくれる?」
という状態になりました。卒業してから数年経って、同級生の鍼を受けると学生時代とは全く違う状態にもなっているので、経験によっても鍼の技術は向上し、痛みが出づらくなります。
病院で採血する注射針も痛いときもあれば、痛みを感じないときがありますよね?
鍼灸で使っている鍼は、髪の毛の太さなので、注射針で刺される痛みに比べたら痛みは非常に少ないです。
経験によって刺入の痛みが出づらくなるのは、圧がしっかりかかっているのと、鍼を刺すスピードが向上し、身体の状態を感じながら鍼をするようになったので、無理な刺入をしていないからだと思います。
いろいろな方の鍼を受けて思うのは、やはり卒業したては、学生よりはましですが、痛みが出やすい傾向があるので、学校を卒業したら、同級生や職場の人に鍼をして技術を向上させるといいと思います。
学生時代と違って、患者さんの身体を触れたりしているので、手の技術が向上しているので、鍼が上手くなるスピードもあがっているので、どんどん練習するといいですよ。
患者さんが言う鍼の痛みには、今まで書いたような皮膚表面の痛みの場合もあるのですが、身体の中に鍼が入っていくことによって感じるものも痛みとして表現される場合があります。
鍼灸師からすれば、それは「ひびき」と言われるもので、鍼を刺入していくことによって、
・酸:だるい
・張:はれぼったい
・重:重い
・麻:じーんとしびれるような感じ
・痛:つーんとした痛み
があり、治療する人によりますが、この酸張重麻痛が出ないと治療効果がないと考えている人もいるので、この場合は、患者さんから取ってみれば痛みが続いて不快と言われることがありますね。
どんな感じかと言えば、マッサージなどで、凝っているところを押されたときに、この感覚と近いものがあるのではないかと思います。患者さんによっては、本当に辛い場所に、何かを感じたいという人もいるので、その場合は「ひびかせる」という治療をすることもあります。
もし、鍼灸を受けてみたいけど、痛みが怖いというのであれば、
・表面で感じる感覚(痛み)→注射のイメージ
・体内で感じる感覚(ひびき)
の2つがあると考えておくといいと思います。表面の痛みは少ないことが多いので、体内で感じるのが好きか嫌いかによっても別れると思うので、鍼灸師に相談しながら治療を受けるといいと思います。
鍼が苦手だった患者さんも何年も経つと、ひびきが好きというように代わることもありますよ。私自身もひびきは苦手でしたが、段々とひびきが好きになってきて、少しはひびきが欲しいと感じることも多いです。