成人の年間読書量は20冊程度と言われていて、年収の差は読書量という話もありますよね。私自身は年間で150冊ぐらい読むようにしています。平均からすれば多いですが、300冊は軽く読む人もいるので、私自身は多い方という実感がありません。年収と相関するという意見はどこにそんなのがあるのかと不思議になるばかりです。
そんな私の読むジャンルは医療・東洋医学はもちろんなのですが、ビジネス書もよく読んでいます。小説は気になったものは読みますが、年間だと10冊は読んでいないと思います。いろいろ読んでいると同じような内容もあるのですが、大きな発見をする書籍もあります。
今日、紹介しようと思うのは、ビジネス書の奇書と呼べるものです。奇書の奇は奇経の奇、奇妙の奇なので、代わったものや正常ではないという意味になりますね。
ビジネス書だと成功する、頑張る、努力する、出来るという表現の内容のものが多く、努力をするのが当然だというのが多いのですが、この『ピーターの法則』はそんな常識を覆す書籍になります。
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結論から言ってしまえば、身の程をわきまえろということになるのではないかと思います。我々の業界だとプレイヤー(治療者)として優秀だった人が、院長になった途端に、だめになることがあります。
これをピーターの法則から考えると、人は無能に向かって突き進むので、プレイヤーでいればよかったのに、院長になりたいから独立や昇進で院長になったときに、院長としてその人の段階が無能まで到達したと考えるものです。
院長ではうまくいったとしても、マネージャーでは無能だった。経営者として無能だったという状態になることがありますし、もし経営者として有能だったとしても、今度は政界に進みたいと思い政治家になって無能になってしまうということで、人は無能を目指して生きているという考え方ともいえ、身も蓋もない感じもありますね。
どんどんと成長していく人もいるのは事実なのですが、本当にまれですよね。どこかで限界が来て、急に駄目になってしまうというのは歴史的にも多いですね。
本書では、こういった話を周囲にありそうな話を出して、これがピーターの法則なのだという話が展開していきます。無能になるために生きているということは、欲望を捨てて、先に進むのを止めれば、無能から遠ざかるということでもあるので、まじめに考えれば、自分を知ることが大切だという結論にもなるのかなと思いました。
この業界でも、経営者向きではないのに、経営者になって、指導をしたいという人もいますよね。治療の話を聞いたときに、「ぐっ」「ぐにゃ」「どん」という擬音語だけで説明されて面白いとは思いますが、経営者や指導者としては困るなと思うときは多々あります。
自分の身の程は何だろうかと考えることが出来たので、面白いだけではなく、いい本だったかなとも思います。