腎の働き

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 腎は先天の精と関係をし、生命力と大きく関係するので、治療においては重要なものだとされていますが、腎も他の臓と同じで五行の性質が関係しています。

 腎は五行では水に属し、水は潤下の性質があると考えられています。潤下は身体を潤すだけではなく、下降、封印されるという意味があります。封印が分かりづらいですが、例えば、水は雨として大地に降り、井戸水や海に流れていくように無くなるのではなく、しっかりと貯えられているので封印という意味になります。

 

 五行では水と大きく関係することから腎のメインは陰と考えることができます。そこから考えると、加齢は腎と大きく関係するので、陰の不足と表現することができます。

 

 陰の働きが強いので生理的な働きは蔵精、主水、納気という封印する働きが臓と関わります。主水は水の管理・調節と言う意味になるのですが、水の排泄と関係をするので、排尿機能との関わりが強くなります。

 

 排泄に関する機能は、小さいときには管理・調整できないので、オムツが必要ですよね。これは、先天の精(腎)だけでは足らないので、後天の精(脾)によって十分補充されたときに機能するものだと考えることが出来ます。

 

 高齢になってくると、今度は、後天の精で補っても足らなくなるので、成人用オムツが必要になります。高齢化社会になっている日本においては、精の機能を高め、主水が出来るだけ低下させないというのが大切だと思います。

 

 納気は息を吸い込む働きのことで、肺と協力して働くものになります。人間は呼吸をしなければ死んでしまうので、吸気で取り込むものは大切なものであり、精気・生命力と関係するので腎の働きにも入れたのではないかと思います。

 

 人が亡くなる過程においては、呼吸困難が生じてなくなるので、肺だけではなく腎というのは人の機能としても理解しやすいですしね。

 

 蔵精は精を収めておくものになるのですが、収めるという陰の働きと精は原気に変わるので、気は陽ということで陽の機能があります。精自体は生命力・生殖・発育の大本になるので、精をしっかりと留めて、生命力を保ち、生殖・発育を行うことが大切になります。

 

 腎の機能低下を起こしやすいのは国家試験的では、房事と言われますが、夜に寝ない、過労は腎の機能低下を起こしやすいです。夜は陰の時間であり、陰気を補うものですが、睡眠不足になると、陰気の損傷ということで腎水の低下を起こしやすいです。

 

 過労は通常の力以上に体力を使ってしまうので、普段持っている力を超えてしまうので、生命力を削っていると考えらえるので、腎精の不足、腎水の低下をきたしてしまいやすくなります。

 

 この状態は、陰虚と考えることが出来るのですが、腎精は原気にも変化するものなので、気は陽ということで陽気の不足も生じやすい臓です。陰と陽にも関係しやすいところなので、陰陽の問題のときには使われやすいです。

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