百会

Pocket

 健康雑誌やホームページにもよく紹介をされるツボは多くありますが、代表格としてあげられるのが百会だと思います。

 百会は督脈上にあり、頭のてっぺんにあるので、忘れにくいので、卒業してツボを忘れていってしまっている人でも頭の上だというのが分かるぐらいイメージがしやすいツボになります。

 

 百会は督脈に属するだけではなく、様々な経絡が繋がってくる場所になるので、治療範囲も広く、誰にでも使えるという利点があります。そんな代表的な百会の効果や使い方、刺し方について書いていきます。

 

 百会は頭部にあり、頭部は髄海と言われ、精神とも関係をしやすいので精神疾患に使われやすいものになります。さらに精神と関係するので、心が疲れてしまったときにも使われることがあります。

 

 精神の治療として用いる場合は百会に四神聡を合わせることも多いので、百会と四神聡の組み合わせは覚えておくといいと思います。例えば、最近、気になることがあってなかなか眠れなかったという場合にも使うことができますし、ショックなことがあったときにも使うことができます。

 

 鍼をする場合には、切皮をしただけでも効果があるときも多いですが、切皮後、1~2mm刺入するのがいいと思います。陥凹が広がっているようであれば、その陥凹に沿うように刺入をするとより効果的になります。

 

 百会を使うときにイメージしやすいのは、精神に対する治療なのですが、頭部にあるので顔面部の治療をするのにも効果的です。顔面部には、目・耳・鼻・口があるので、これらの治療に対しても百会を使うことができます。

 

 特に、目・鼻の疾患には効果が出やすいので、普段の治療に1本プラスで用いるのも効果的だと思います。刺入を深くしようとすると骨膜を傷つけてしまうので、骨をガリガリしない方がいいです。

 

 鼻疾患だと非常に多いのが、花粉症だと思いますが、花粉症の治療の中でも百会を使うのは効果的です。そう考えると、花粉症、パソコンなどの疲れ目に対応すると考えれば、誰にでも使えていけますよね。

 

 お灸はどうかということになりますが、お灸でも効果的な場所です。ただ、お灸を行うと、頭髪を焼いてしまうので、お灸をした部分がハゲたようになってしまうので、効果を実感するとやってほしいという話が出ることもありますが、嫌がられることも多いです。

 

 私は気にしないので、たまに百会のお灸を受けたくなります。百会は脾の昇清を高める働きがあるので、お灸を加えると頭と目がすっきりして、爽快になるので好きですね。

 

 お灸と鍼の使い分けでよく言われるのが、頭皮が硬い人は鍼、むくんだ感じの人はお灸がいいと言われます。お灸は陽気に対する働きが強いので、お灸を行うと、陽気が活発になり、気の動きもよくなり、推動が働くので、水の阻滞を除去する働きがあると考えることができます。

 

 昇清のときでも書きましたが、昇清が高まることによって、頭部の濁陰(湿、ゴミ)を取り除くことが出来るので、百会で頭部の濁陰を取り除くことができます。

 

 ただ、百会の鍼は仰向け、うつ伏せで刺しっぱなしに出来るので、刺した後に忘れてしまうことがあるので注意が必要です。

Pocket