触診技術が向上するのに何が必要か?

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 触るのは誰でも出来ますが、身体の反応を診る技術と考えると、技術の習得は時間がかかると言えますが、どうやったら技術が向上するのでしょうか?

 最初に私の触診技術がどうなってきているのかを振り返ってみたいのですが、学生時代に脈の話をされ、練習をしてもさっぱり分かりませんでした。「これかな??」という程度で適当に決めていたと言えると思います。

 

 体表観察という部分でも触れて、硬い・柔らかいというのは何となく分かっても、本当にそれでいいのかという不安が付きまとっていたと思います。そんな状態で現場に出て数年すると、自分の中で変化が出たのが分かります。

 

 完璧かどうかという自身がないのはもちろんなのですが、やっていて、「これだ」という気持ちになっていて、患者さんへの対応でも変化が出ているというのを理解出来ました。患者さんからの「そこそこ」「何でわかったの?」という言葉が自分を応援してくれていた言葉なのではないかと思うようにもなりました。

 

 今でも完璧ではないという思いはあるのですが、学生時代のような不安や迷いは消えてきました。こうやって、日々を積み重ねることによって成長をしていくのが技術なのではないかと思っていますが、自分の中の整理も兼ねてどのようにしてきたのかを書いていきます。

 

 技術の向上はS字カーブを描くと言われます。最初は練習しても勉強をしてもなかなか習得出来た気がしないまま時間が経ち、いきなり自分の中で府に落ちて、急激に向上していくことを現しています。

 

 登山をしているときでも頂上までは遠いし、時間がかかるように感じますが、気づいたら頂上付近にいて、見えるところからだと遠くても、今までよりも時間も短くなるのに似ていると思います。

 

 私が気付いたのは、力を入れてしまえばしまうほど、細かいことが見えなくなるということに気付きました。指圧などでは、軽擦に始まり軽擦に終わると言われ、最初の軽擦で身体の触診が終わっていると言われます。

 

 触ることを最初に教わった方がとにかく身体を軽く触るということを教えてもらったのですが、この軽く触るというのを飽きずに続けたことがうまくなっていったきっかけだったと思います。

 

 最初に軽く触れてみて全く分からないですし、施術をしたあとに触っても全く分からないのですが、続けることで段々と人によって違うというのを理解し、少しの刺激でも変化するということを理解し、刺激を入れても変化をしないということを理解していったのだと思います。

 

 こういった基準を一つ持って、それを続けるというのが、触診技術が向上するきっかけだと思います。脈診が中心であれば、脈をひたすら見続けることで、同じような成果が出ると思います。

 

 圧痛を使った治療は押すだけで簡単なのですが、押すということに慣れてしまうと、「ふれる」という技術がつきにくくもなるので、「押す」と「ふれる」という2つを治療前後に行っていくのが触診技術の向上につながると思います。

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