お灸は艾を捻って行うものを透熱灸と呼び、米粒の大きさのものを米粒大と呼び、よく使われるのは半米粒大と言います。
半米粒大でも艾炷の硬さにもよりますが、底面温度は、50~100℃の幅があるのではないかと思います。皮膚面に半米粒大で透熱灸をすると、火傷をするのはもちろんですが、熱さで冷や汗をかくことも多いです。
足底の失眠だと、皮が非常に硬いので米粒大で透熱灸をしても感じないことも多いです。身体の部位によってもお灸の感じ方が変わりますが、普通は透熱灸をすると半米粒大・米粒大でも感じることが多いです。
身体の状態が悪いと足底でも最初は感じないのですが、継続治療をすると身体が変化をしていくからか、だんだんと感じやすくなっていくのが普通です。身体の状態が悪くてもすぐに感じる方もいますが、比較的少ないと思います。
悪い部位があると感じないことがあるという話は聞いたことがあり、聞いたときには本当かよと思ったのですが、実際に感じないこともあるという経験をしました。私ではないのですが、練習をしているときに両方の天枢に透熱灸をしたところ、片側は緩和をしても熱く感じるのに、反対は緩和をしなくても、米粒大にしても感じないという状態がありました。
気血の巡りが悪かったりすると生じやすいというのは聞いていたのですが、実際に見たときには本当かよという驚きで艾炷を大きくしたり、硬くしたりしてどのぐらいが感じるのかを試したのですが、感じても心地よいという話でした。
物理療法として考えると、同じ刺激で感じないのは変化状態といえますし、神経の働きがおかしいのではないかと考えられるのですが、そんなに大きな違いもないし、スポットで感じないというのは驚きでした。
よくお灸療法では熱感に対して、「感じないところは感じるまで」「感じるところは感じなくなるまで」と言われますが、そういった経験をしないとわからないものだなと思いました。
学校でもお灸好きと言う人がたまにいますが、そういった方は、米粒大で硬くても「ツーン」と感じて気持ちいいということで、熱さに関しては鈍感とも言えるので、そういった方のお灸は一般の人から取ってみれば拷問のような熱さに感じることも多いと思います。
熱さを感じないで、気持ちいいと言うので、そういった方が周りにいたときには、どのぐらいまでが気持ちいいのかと気持ちよさの感覚を聞いておくと、今後の参考になると思います。
患者さんでも熱いお灸が気持ちいいのでやって欲しいという人がいますが、多分、そういった方はお灸が好きで熱さとして感じるのではなく、気持ちよさとして感じるのではないかと思います。
熱いお灸をすると感覚としては面白さがあります。体感したのは偶然なのですが、自分にお灸を行っていて、緩和を失敗して、燃えカスに燃え広がって熱い思いをしたときに、「ツーン」という感覚と同時に経絡走行にそって「ジーン」という感覚がしたことがあります。
何度も体験したくはありませんが、自分にやるときは気を抜いているので、何度も体験をしました。通常のお灸でも壮数を重ねると経絡の走行に沿って「ジワジワ」と温かさを感じるのですが、熱いとその力が強いのだなと思いました。