肘周りには陽経は曲池と小海、陰経は少海があり、臨床的にも効果が高いので使われることがあると思いますが、私見を書いてみたいと思います。
この付近で共通するのは、池・海の貯まるという概念が含まれている漢字が使用されているところではないかと思います。ツボの名前はいろいろな漢字が使われていますが、池や海、泉は何かが集まるという意味があると考えられます。
水は雨として降っていますが、それが貯まったり、湧き上がったりして、人間の生活に取ってはなくてはならない物なので、水が集まる漢字はよく使われています。髄が集まったのを髄海(脳)と言いますしね。
少海は書籍をみてみると、少陰経の海と考えられ、心は血と関わるので、血が流れるのを水とイメージをして、合水穴だから名づけられたという考え方があります。
小海は、胃が水穀の海と言われ、小腸は飲食に関係をしやすいところから、水穀が多く流れているところなので、小腸の小から小海と名づけられたという考え方があります。
曲池に関しては、肘を曲げて骨の出来るくぼみに取るということで、池のようなくぼみができるということで、くぼみというのと大きく関係をしやすいと言われています。
ツボの名前は機能とも関係しやすいのもあるのですが、見た目からつけられることも多いです。少海と小海は機能から名前が付けられたとされていますが、見た目でもいいのではないかとも思いました。
手関節を背屈した状態で肘関節を90度屈曲させると、肘の外側・内側に大きな陥凹ができます。外方は曲池と同じ位置であり、内方は小海の辺りに大きな陥凹ができます。
少海の付近も陥凹があるのですが、小海や曲池に比べると大きさが小さいので、少海という名前でもいいのかと思いました。
ツボを決めるときに王宮の人達で研究をしたのであれば、現代人の日本人と同じように筋肉が少ないので、私の腕の筋肉の動きから体表観察でいいのかもしれませんが、ツボを決定するに辺り、市井の人々を参考にしたのであれば、生活は自分の身体によって成り立っているはずなので、筋肉量も多かったと思うので、違うかもっとくぼみが大きく見えたのかは分かりません。
少海と小海については見た目で考えるという説はほとんど見られずに、心や小腸の機能から名づけられたとされているのですが、本当はどうだったのでしょうね。
本当は、肘周りの経穴についての治療での考え方や使い方を自分なりの整理をしてみようと思ったのですが、経穴について文献などを見ていて、肘周りのツボを触ったり、眺めていたりしたら気になってしまいました。
名前について理解をすると、ツボや身体に対してのイメージが湧くので、東洋医学的な考えを理解するのにいいですが、治療としてダイレクトに役立つかは不明です。愛着はわきますよ。