衝脈

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 衝脈は奇経八脈の一つであり、十二正経の海とも呼ばれ、血海と言われています。今回は、この衝脈について書いてみたいと思います。

 十二正経の海とも言われるので、十二経脈と関係する働きがあると考えられ、血が多く集まるので血海と言われますが、これは胞宮とも関係するので、血が多いと考えることができます。

 

 衝脈は月経調節に取っても重要なところとして考えられるので、月経異常のときには、衝脈の八脈交会穴である公孫は確認をしておいた方がいいと思います。衝脈は腎経との関係が密接なので、生殖器の疾患には効果が高いと思います。

 

 衝脈は腹部から胸部にかけて流注しているので、私は腹部疾患に対してもよく使います。腹部膨満感、腹痛、軟便、下痢、便秘など消化器に関わるときには効果を発揮すると思います。自分の公孫に対して、鍼灸や揉むことが多いです。

 

 公孫は切皮痛が出やすいところになるので、しっかりと鍼管を押しあてて、丸い円が出来るように鍼管を支えてから切皮をするようにしています。刺入は深く入れなくても、じわじわと響きが出ることが多いので、切皮置鍼して、読書をしたりすることもあります。

 

 公孫との組合せは内関になりますが、内関・公孫を組み合わせて使うとより効果的なので、臨床の中ではたびたび使うことが多いです。

 

 衝脈の病は「逆気して泄す」と言われるように、気逆の病のときにも使えるので、胃気上逆、肺気上逆、肝気上逆の中でも使うことがあります。一般的には、衝脈は生殖・消化器に対して使うかもしれませんが、頭部の不快症状以外でも呼吸器疾患にも使えると思います。

 

 土は金の母であり、脾は肺の母になるので、土である脾の働きが活発になれば、金である肺の働きも正常になります。もちろん、逆気と泄瀉が生じている場合は効果が高いと考えられますが、調子が悪ければ、下痢になることもあるので、呼吸器疾患にも用いています。

 

 肺の働きが低下してしまえば、粛降の働きが低下し、大腸の機能低下にも関係するので通常は、排便異常の便秘が生じやすいと考えます。

 

 ちょっと調子が悪いと下痢になることは多いですが、公孫に3壮透熱灸を行うのも効果的になります。ただ、下痢は身体の中にあるものを出したい状態なので、無理に止めるのもよくないのですが、生活として困るのであれば、止めるのもありかと思います。

 

 私はたまに下痢になることがあるのですが、その場合は脾経で対処を行うか、腹部をよく温めるようにしています。

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