鍼灸治療は自律神経の調節効果を狙う?

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 鍼灸治療の効果については論文などで考察をされていますが、どういった機能なのかという点と、詳細なメカニズムは分かっていないですが、自律神経の調節が行えるとはどういうことなのでしょうか。

 身体の機能調節を行っているのは、中枢神経と言われる脳・脊髄神経になりますが、身体の運動に関わるのが体性神経で、身体の内臓などと関わるのが自律神経になります。自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経が身体の機能を亢進する働きで、副交感神経が休息に関わる神経になります。

 

 自律神経は身体の機能調節に大きく関与し、交感神経・副交感神経はスイッチが切り替わるように働いていますが、生活リズム、精神的刺激、食事などによって調節がうまくいかなくなると言われています。

 

 身体の機能は生体反応とも言うことができますが、血流や感覚、精神にも大きく関係すると言えます。このように自律神経は身体の様々なことに関わっているので、自律神経がおかしくなってしまうと、身体の中で様々な問題が生じると考えることができます。

 

 不定愁訴が多い場合には、自律神経の失調と言われることが多いのは、このためです。自律神経の異常は、もとに戻すのが大変なので、薬だけではなく、精神療法も加えて用いられることが多いです。

 

 鍼灸による刺激がどのように自律神経に働きかけているのかは不明でが、論文などで分かったことを簡潔にまとめてみます。

 

 鍼灸刺激を行うと、結果として血流・痛み・内分泌の生体反応が見られるので、詳細なメカニズムはわかっていないが、鍼灸をすると自律神経に影響があると言える。

 

 身体の調整に関しては、神経が情報伝達と働きの指令を行っているので、神経に働きかけることによって身体の状態は大きく変わることがあります。鍼灸刺激は身体の表面から内部に行っていくものになりますが、鍼灸の刺激を神経が受け止めることになります。

 

 神経が刺激を受け止めると、その情報は身体の中にめぐっていき、反射が生じると言われ、この反射のことを体性・自律神経反射と言われます。

 

 下痢のときに、肛門を刺激することはないとは思いますけど、お腹を下して下痢がひどいときなどに、肛門部を刺激すると、出てしまいそうな感覚が生じることがありますが、これは肛門部を刺激することによって、反射が生じるとも言えます。

 

 鍼灸刺激がどのように自律神経に影響しているのかは研究が行われていますが、身体は機械ではないので、外部から何か刺激をしたら、生体に影響があるのが当然と考えるので、自律神経も調整していくことが出来ると考えられますね。

 

 現代医学でも研究はされていますが、人間の身体について完全に解明されている訳ではないので、自律神経の調整に関しては、様々な説が今後も出てくると思います。

 

 東洋医学の考え方を使うと、身体は気血が流れているものであり、一つの湖と考えることができます。水が湧きあがって、蒸発して腐らないようになっているものなので、鍼灸や漢方という刺激はその泉に石を投げ込むことに似ています。

 

 水に石を投げると、波紋が広がり、水面全体に広がり、中にも伝達をされていきます。これが東洋医学での治療の考え方なので、一気に改善するということはないと思いますが、徐々に改善をすることはあると思います。

 

 現代医学の思想で考えると、壊れたら取り替えるというのは、この泉の考えで言えば、水を全部取り替えるか、水が揺れないように全て覆って固定してしまうかという考え方に近いものになります。

 

 抑えても改善しないので、自律神経の失調の方は、代替療法に向かう人も多いのだと思います。自律神経の異常が構造的な問題から生じていれば現代医学の方が得意だろうと思いますが、はっきりと分かるのは少ないのではないかと思います。

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