悲鳴が聞こえる鍼灸院

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「ギャー!!痛い痛い痛いー!!」

「そんなに痛いならやめましょうか?」

 

「いや、やってもらった方がよくなるのでやってください。ギャー!!」

 

「痛くなくも出来るのですが、これじゃないと駄目なのですか?」

 

「アーーーー!!!これです!!これなのです!!」

 

「ストレス発散にいらしているのですか?」

 

「そんなことはないです。アーーー!!いたーーーいー!!」

 

 本当にまれですが、こういう方はいます。大声を出してストレスを発散したいのではないかと思います。弱くも痛くなくも出来るし、症状は変わるはずなのに、お求めになる方がまれにいます。

 

「アーーーーー!!むーーりーーー!!」

 

「止めますか?」

 

「だめ!!」

 

 無理と痛いと言っていて、何故、止めるのはダメなのでしょうか。しかも、こういう方は強く響かせる訳ではなく、少し響くだけで、こういった反応をすることがあります。切皮から本当に少しだけ刺入したぐらいですよ。

 

「ギャーーー!!○△★☆×○!!!」

 

 もう意味不明です。響き渡る悲鳴が続きます。他の患者さんもいないときに受けるようにするしかないのですが、そんなに辛いのに何故、求めて、何故、来るのかと不思議になって仕方がないです。

 

 鍼灸院はアトラクションなのでしょうか?私自身がアトラクション?サービス精神は対してないのですが、それでも満足度があるのでしょうか。理解できない境地なのですが、明確に答えてもらえる人がいるのか不明です。

 

 治療が終わると半泣きです。意味不明です。何故、そこまで求めるのか?何がそこまで追い込んでいるのか?あまりの反応の大きさにこちらがびっくりです。何度もやっていれば慣れるのではないかと思いますが、純真なお身体のようで、何度も同じような反応をされています。

 

 他の方からしたら、何の治療をしているのか不思議になりますよね。

 

「いきますよ」

 

「ギャーーーーーー!!」

 

 こんな鍼灸院はいかがでしょうか?横で聞いていたら、恐怖と興味で心がいっぱいになりますよね。うとうとし始めても目が覚めるし、人によってはあまりのうるささに来たくなくなりますよね。

 

 不思議な方でした。

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