鍼灸治療を受けた効果はどのぐらいの期間続くのでしょうか?
鍼灸治療を行うと、身体がすっきりした・痛みが取れたなどの治療直後の効果がありますが、その効果の持続期間はどのぐらいなのか気になりました。
私が治療をしていて、身体の所見や症状などを確認していたのですが、治療を受けた後は、主訴や体質がすぐに変わる訳ではありませんが、治療で受けた刺激は1か月程度持続することがあります。
この持続している効果に関しては実感できる程度のことは少ないので、治療回数を増やして身体の状態をベースアップしていくと考える方がいいのではないかと思います。人によって個人差はあるのですが、治療を行って生じた身体の変化はどこかで読み取れることが多いです。
脈診・腹診で身体の状態を確認している場合は、細かく診ておくことによって、初診の治療前との違いを押さえておくと、主訴の変化が少なくても、身体の変化を読み取ることによって、自分の治療に自信がつくことにもなります。
大きな改善を狙うのであれば、毎日低刺激でも行った方が、身体はどんどんと変化していく傾向にあります。ただ、時間・金銭的に毎日というのは難しいので、その場合は、刺激強度を上げるのが簡単な方法ではないかと思います。
打膿灸が強い強刺激なのに、昔から存在しているというのは、刺激強度が高いので、その後の持続効果があったからではないかと思います。昔であれば、治療を受けようとすると、徒歩で移動することになるので、近所以外には数時間・数週間かかってしまいます。
現在のように、頻繁に治療に行くということが出来ない場合にはどうするかと言えば、刺激強度を上げることによって治療後に大きな変化をしなくても、その後に身体が変わっていく状態を作ることに専念した結果が打膿灸ではないかと思います。
打膿灸ではお灸で大きな火傷をさせた痕に、膿を出させる軟膏を塗ることによって、火傷痕をすぐに修復させるのではなく、身体の免疫機能に働きかける状態を続けます。免疫機能に働きかける状態が続くことによって、治療まで数時間・数週間かかっていた場合、戻っているときにも自分で治療を行っているようなものなので、帰宅してからも治療が続くと言えます。
現在であれば、交通機関が発達していて、移動がスムーズなので、数週間かかるということはないので、治療の刺激強度は少なくてもいいのではないかと思います。1か月に1度程度の来院の方であれば、刺激強度を高めるのは持続効果を狙って有効な部分があると思いますが、実際はなかなか難しい問題だと思います。
私が治療効果の持続期間に気づくようになったのは、現場に出てすぐではなく、自分なりの身体の診方が出来るようになってからではないかと思います。圧痛・硬結で判断するのも一つの方法になりますが、動作を診るのが得意な人は動作や関節可動域によって、効果の持続期間を把握するのもいいのではないかと思います。