新しい教科書の内容は中医学がベースになっているので流派として考えることは難しいのかもしれませんが、中医学についてまとめてみたいと思います。
中国で発達した医学は中国伝統医学と呼ばれていますが、その内容を使いやすいようにまとめたのが中医学になります。設立は中華人民共和国の設立後になるので、1959年頃からまとめられた内容になります。
そう考えると、中医学はベースとしては長いですが、日本の経絡治療学会より歴史は浅いものになります。しかし、日本の学校教科書には経絡治療学会の内容ではなく、中医学の内容が多くなっているのは、書籍としての分類・整理が上手だったと考えられます。
中国でそれまで行っていたのは、老中医という方達が行われていた家伝のものだったようですが、それだと普及することができないので、国が主導してまとめたものになります。中国は共産主義であり、国が主導すれば良くも悪くも一気に物が動きやすいというところがあると思います。
日本では机上でまとめるよりも、手順ややり方に重きを置いたので、どちらかと言えば臨床向きだったと考えることが出来ます。臨床に重きを置いたために、教科書など伝える部分で弱いところがあるのではないかと思います。
これは悪いことではなく、現状認識に取って必要なのでいいところは取り入れるという考えは、日本にもとからあるものなので、使えるものは使いながら独自の展開にするのもありだと思います。
話しが逸れてしまいましたが、中医学の体系は一度学習を行えば、鍼灸・漢方にも応用できるので、パッケージとしてもいいものだと思います。世界の資格がどのようになっているのかは分かりませんが、中医学の学習制度を取り入れていると言われているので、医療制度の輸出に成功したという点では凄いことだと思います。
中医学の特徴は弁証論治と言われ、四字熟語で身体の状態を現し、治療方針も四字熟語になるので、それだけを見れば、身体の状態を把握できるというのは、凄いことだと思います。
理論先行になって、治療に使えないという話しを聞くこともありますが、治療としてしっかりとまとめれば使いやすいものではないかとも思います。私が感じる中医学を学ぶメリットは、日本の書籍を含め東洋医学を学ぼうとするときに一つに芯になるので、他の学習をする上でもメリットは高いと思います。
どういう視点で中医学になったのかは分かりませんが、新教科書を見る限り、大体のことが学べるので、卒業後に学習をしようとしても理解しやすい状態になるのではないかと思います。
私は中国に行ったことはないのですが、中国に行った人の話や中国人の話しを聞くと、鍼も病院なので、患者数も多く、治療時間もかけられないので、手際よく行っていくことが多いという話しも聞きました。
刺激量が多い傾向もあるようですが、病院だから痛みや刺激を増やしても余り文句も出ることもないのではないかと思います。
中医学を学習しようとするのであれば、「日本中医学会」は大きい団体ではないかと思います。中国で資格を取得してから日本で資格を取得されている方も多くいるので、そういった方にはどこかで会えるので、中医学の現状などはそこで尋ねるといいのではないかと思います。