母乳が出ないときにすること

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 出産後に母乳が出ないと、お母さんは胸が張って痛いし、子どもはお腹が空いて泣くしでお互いに辛い思いをしていまいますが、このときに何をすればいいのでしょうか。

 母乳が出ないときに行う方法としては乳房マッサージがあり、やると痛みも強いので泣きながらやってもらったという話しも聞きますが、そういった話しを聞いた場合や出産される方がいたら、肩甲骨の辺りを丁寧に揉む、鍼をする、吸角をするというのが効果的なので、ご家族に揉んでもらうか台座灸を行ってもらうようにするといいです。

 

 東洋医学の治療で表の治療を裏で行い、裏の治療を表で行うという考え方があるので、症状があるところの反対側の施術をすると効果がみられるときがあります。

 

 出産前から肩甲骨上の硬結や疲労をしっかりと治療の中で確認をしておいて、出産後に問題にならないように調整をしてあげるのは、母乳をあげるのがスムーズになるのでおすすめの方法です。

 

 肩甲骨は僧帽筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋などが関係をしやすく、これらの筋肉は、筋自体も小さいので、揉もうとすると痛みが強くなることが多いので、丁寧に触る必要があります。

 

 鍼を行っていく場合は、肩甲骨の触診さえしっかりできれば、胸膈の鍼が入ることがないので気胸のリスクも小さいですし、ひびきも比較的少ないところなので、治療を行いやすい部分でもあります。

 

 もちろん、肩甲骨に穴がないかは完全には分からないので、万が一も考えると注意が必要なのは他の身体部位と同様注意をしないといけないのですが、1㎝程度の刺入であれば、肩甲骨上の筋肉になり、胸膈までも距離があるのでリスク管理が行えます。

 

 肩甲骨上には、肩甲骨の中央部分は肩甲上神経が走行していることが多いので、その部位はひびきがでやすいですが、その他の部位はひびきも鈍感なことが多いので切皮痛に気を付けてさえおけば、辛く感じることなく治療することができます。

 

 肩の硬結があまりにもひどい場合は、強い刺激をしてしまうのは危険なので、出産前は様子を見ながら刺激量を調整していくことが大切になります。

 

 他に効果的なツボは小腸経の井穴である少沢がいいです。治療で少沢を使ってもいいのですが、治療に来ているときには、自分で手の届かない肩甲骨の緩みを作ってあげて、本人には、少沢を自分で揉むようにしてもらうとより効果的だと思います。

 

 少沢を揉んでもらう場合は、反対の母指と示指で小指をはさんでもらうようにして、揉むといいと思います。長くやるのも疲れるでしょうから、気が向いたときに揉むようにすると何度も小まめに治療することになるのでおすすめのところですね。

 

 手太陽小腸経は昔は肩脈と呼ばれているところなので、肩の疾患にも効果的ですし、肩甲骨にツボを多く持つので、肩甲骨付近の治療でも効果的な場所になります。

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