「この辺りをよく揉んでもらえばいいのですか?」というような質問はよく受けるのではないかと思います。
「筋肉は、身体の持っている大切な機能なので揉みすぎるのはよくないです。」
「どれぐらいがいいのですか?」
こういったやり取りは、治療室の中にいても聞くことがある内容で、揉むのはよくないし、ストレッチや運動をしましょうという話がされることがありますが、私の説明は違います。
「魚や肉がスーパーに売っていますが、見たことや触ったことありますか?」
「ありますけど・・・。」
「あれはほとんどが筋肉ですが、押してつぶすとどうなりますか?」
「つぶれてしまいますね。」
「元に戻りますか?」
「もどらないです。」
「揉むや押すはいいと思いますか?」
「なんか、悪そうですね。」
「そうです、程度によりますが、押しすぎてしまうと組織がつぶされてしまうと考えられるので、昔から“揉みだこ”というように、揉みすぎるとその場所が硬くなると言われています。」
「そうなのですか?」
「そうです、揉み・押しをその場所にし続けるとよくないと思いませんか?」
「そうですね。」
という会話をすることがあります。もちろん、私は手技もすることがあるので、押す・揉むはしますが、つぶすということはせずに、骨からはがしたり、筋の動きを助けるようなイメージで行うことがいいです。
骨からはがすというのは、筋肉の起始・停止部から筋肉をはがすように施術をすることがあります。強くひきはがすというよりも、こすってはがすというイメージに近いと思いますが、これを行うと、筋腹もゆるむことが多いです。
筋の働きを助けるのは、筋膜マッサージのようなイメージで筋肉の動く方向に対して、ゆする・動かすというのが多いですが、これも筋肉を大きく傷つけるのではなく、効果を発揮しやすいと思います。
こういった感覚があるので、鍼を現代医学的に行う場合は関節部・起始・停止を狙って行うことがあります。