ほうれい線は法令線と言われ、医学的用語では鼻唇溝と言われるもので、表情筋の動きによって、線が形成されて、加齢により線としてしっかり残ります。美容の分野ではほうれい線をなくすということで、ほうれい線についての話が多くありますが、実はほうれい線で分かることも多いです。
ほうれい線がある部位は東洋医学の望診では腎と関係する部位になります。若いうちは、ほうれい線は出てこないですが、加齢によって出てくるので、腎の機能低下と考えることができます。
ほうれい線が深い人は加齢とも言えますが、腎気の低下が生じていると考えることができますね。そういった点で言えば、腎の働きを見られるところになるので、ほうれい線を見た目として消してしまうと診察の情報として足らなくなるので、腎の問題があった場合でも望診で判断するのが難しくなります。
例えば、ほうれい線が左右で深さが違う場合は、身体の左右バランスが崩れていることがあるので、法令線に注目して診察することもできます。ただし、女性の患者さんであれば、シワを長く見られるのは不快になってしまうので、ぱっと見て判断する必要があります。
左右の深さが違うだけではなく、片側に、にきびやほくろがある場合は左右バランスの失調があります。片側に深さや何かがある場合は、腰痛も片側で出ていることも多いので、望診からだけでも腰痛の状態を判断することができます。
ただ、美容を気にされる人であれば、顔にシワがあるのを嫌がるので、消したいという気持ちになりますよね。そういった場合は、自然に消えるようにしていくことが大切になります。
ほうれい線の出来る原因は、表情筋を動かしていることによって、皮膚がけん引をされ、皮膚組織が固まってできるものなので、問題となっている筋肉の動きを制限すれば、法令線は徐々に消えていきます。ただ、簡単に考えれば、筋を弛緩させる注射でもすれば消えると言えますが、筋弛緩を起こしてしまうと、顔の表情に影響が出ることがあるのではないかと思います。
美容をやり過ぎている人は逆に不自然になるのはこのためではないかと思います。
法令線を消すためには、鍼灸であれば、その付近の筋に対して筋弛緩を狙って行えば、法令線を形成しないように治療をすることができます。法令線は皮膚が偏ってしまっているので、法令線に鍼をすることによって、皮膚の弛緩を行えば、消えていくことが多いです。
鍼を刺すのにリスクがあるのであれば、円皮鍼を用いれば、内出血のリスクも少なく、持続的な効果を狙えるので、法令線を対象にするのであれば、円皮鍼を行う方が効果的ではないかと思います。
人間の身体は筋肉によって動かされ、日常生活では多くの筋肉を使わずに、最低限の筋力発揮で生活できるようになっていくので、法令線を無くすのに、舌や顔の筋肉を動かす方がいいという意見は同じ動作を繰り返さないようにするという意味になります。
表情が豊かであれば、顔面筋も多く使うので、日々の生活の中で感情をうまくだせるようにするもの法令線を無くすのに役立つと思います。
私は診察のときや人に会うときには、法令線を見て、その方の腎の状態を診ることが多いので、みなさんも試してみるといいですね。もし、消したいというのであれば、自分で鍼を日々、行っていると消えていきます。
法令線は腎の部分なので、法令線の治療を行っていくことによって、腎の機能をあげていくこともでるのでお勧めですね。