鍼灸のエビデンス

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 鍼灸の一番のエビデンスは歴史です。

 本当にダメなものであれば、なくなっていますが残っているので鍼灸のエビデンスは残っている歴史と言えます。

 

 通常はエビデンスというと証拠ということで、どのように効いたかという論文を指すことが多いのですが、人の身体については全て解明されていないので、鍼をしたら確実にこう変わるというデータを出すのが難しいと思います。

 

 海外の論文も一部は翻訳されていて、さらにはニュースで流れてくることもあるので、目にすることができますが、鍼をどこにしたら、何が変わるというよりは、この疾患を継続したら変わるかという、“結果が出るか”という論文も多いように感じます。

 

 一般的に言われるエビデンスは、“どのように効果が出たか”という作用機序についての話になるのですが、作用機序は人間の機能が分かっていないので、評価をするのが非常に難しいと思います。

 

 論文も書いている人たちの倫理に任されるので数字のコントロールは外部から見られないので、そういった点では信頼性は歴史でしか証明できないのではないかと思います。例えば、薬でもデータの作成を行って、その後に動物で実験を行ってデータを集め、人に使って問題がないかを数年に渡って確認しています。

 

 動物実験が本当にいいデータなのかについても問題があります。動物には薬でも人間には毒になるもの、動物には毒でも人間では薬になるものがあり、動物実験は本当に有効なのかという疑問があります。詳細はこちらの書籍に書かれています。医療を否定するような書籍に書かれている傾向が多いと思います。

 

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 動物と人間の病気をみることは非常に有効だという考え方もあり、これも参考になる書籍ですね。何事も陰陽論なので、いい面・悪い面があり、どちらの考えも知って、自分なりにまとめるのが大切なのではないかと思います。

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 ビジネス書でもエビデンスという言葉が出てくるので、知られてきている言葉になるでしょうが、何を持ってエビデンスかというのが重要ではないかと思います。

 

 人の生活でも、今までの経験で数字ではないけど、何となく「この方がいい」というのがありますが、詳細に説明できることは非常に少ないですよね。

 

 医療はEBMが重要と言うことで、「根拠に基づいた医療」を提供すべきだということで論文が重視をされていますが、現代医学は歴史という審判の機関が短いので、確かに重要性がありますが、東洋医学は歴史という審判を経ているので、エビデンスがあると考えられます。

 

 もちろん、研究によって「有効」「無効」というのは分けていける可能性があるので、どういったやり方というよりも、歴史として積み重ねていくのがいいと思います。

 

 ただ、一般の方は「気」で説明されるよりも、作用機序について尋ねてこられることもあるので、答えるときにはこの歴史というエビデンスで説明することが多いです。

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