元気という考え方

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 元気は東洋医学ではよく使われる単語に元気がありますが、意味としてもよく考えているなといつも思います。

 元気は原気とも書かれているのですが、元気・原気はともに、「おおもと」「はじめ」「みなもと」と言う意味があり、東洋医学の考えでは生命の素として考えることができます。どちらの漢字を使っていても、意味が同じであり、生命力とも考えられるものなので、東洋医学の治療は元気・原気をつけるものだと考えることができます。

 

 元気というだけだと、どこで治療をしていいのか分からないので、精とつなげたのもよく出来たものだと思います。精は生命力と言われ、先天の精・後天の精に分けられますが、先天の精が変化してできたものが元気になるので、生命力の根底のものだと考えることが出来ます。

 

 元気が弱まってくると生命力が低下をしてしまうので、身体が弱っていくことになります。挨拶でも「元気ですか?」という言葉があるように一般にも十分普及していて、現在まで使われる単語になっているのがすごいと思います。

 

 生命力だけでは意味がつかめなくなるので、精とつなげることによって、生命力だけではなく、生殖能力とも関係をすることが出来るので、生殖機能が低下してしまった場合は、精と元気を調整することが大切になります。

 

 精を調節するのであれば、腎と脾を使っていけばいいというのは経絡を使って行うことができますが、どこに元気があるかという位置も決定したことによって診断にも役立っています。

 

 元気は下腹部に集まり、ヘソ下の丹田が関わると言われ、ツボで言えば、関元が該当をするのですが、ここは身体の重心としても非常に大切なところになります。身体の動きを作るのに、丹田付近が安定をしていないと、動作をすることができなくなってしまいます。

 

 動きを見て下半身や骨盤が安定していない場合は、元気が弱いと考えることができます。身体の動作の弱さは生命力が弱いとも考えられるので、重要な情報になります。下腹部が軟弱や凹んだ状態では元気がたっぷりとたまっていない状態になるので、この場合も生命力が弱いと考えられます。

 

 人の発達を考えていくと、小さい子どもはお腹が出ていますが、消化器系の弱さからヘソの上辺りが盛り上がっていることが多く、下腹部は高くなっていないです。大きくなってきて、中学生ぐらいになると、お腹のふくらみは消失して、下腹部の高さがまだない状態ですが、年齢とともに、ヘソ上は平らなままですが、下腹部がポッコリとしていきます。 この状態が正常になるので、着物を着るのにお腹が出ていないと似合わないですよね。

 

 現在だと、下腹部が出ていると見た目が悪いということで敬遠をされるでしょうが、正常な状態は、元気が年齢とともに充実していくので、30~50代は下腹部がポッコリと充実していることが大切になると考えられます。

 

 先進諸国の美では年を取りたくないという不労が中心なので、下腹部のポッコリが嫌われて、腹部全体が若い頃のままのように平になっていることが求められていると思います。昔の日本は十分に食べられなかったので、ふっくらしている人が美人でしたし、美の感覚は時代背景によって変わっていきます。

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