最初の頃は意味不明でしたが、肝陽と肝火の違いは非常に大切になります。
肝陽と肝火の違いは、原因が違うということができます。肝陽は陰虚から発生するものであり、肝火は気滞から発生としていきます。ということで肝陽はもともと虚の状態から発生しているものであり、肝火は実の状態になります。
陰気は年齢とともに低下をしやすいものであり、肝血の不足からも発生をしてしまいます。血は精血同源であり、肝腎同源という言葉もあることから、肝血の不足には腎精も大きく関わってきます。
腎は陰陽の根本という働きがあるので、精血という関係だけではなく、肝陰が不足をしてしまうと、腎陰が補う形になります。ということは、肝陰虚は腎陰虚も併発をしやすいということで、肝陰の不足が強くなってしまって、肝陽が亢進してしまった状態は腎陰にも問題が生じている可能性が高くなります。
治療においては、肝陰だけではなく、腎陰に対しても治療を加えることが必要なのが肝陽になります。肝陽の亢進で生じやすい症状は肝気上逆の状態である頭痛やめまいが発生することが多いので、頭部の異常が生じてしまう可能性が高くなります。
肝火はもともと気滞がある方が長期化してしまい、気滞の熱化によって熱が炎上してしまうものになります。肝火も肝陽と同じように熱がある状態になるので、熱は炎上性があるので、頭部の症状を起こしやすいので、肝気上逆の状態になりやすいです。
肝火も肝陽も頭部症状と関係しやすいので、勉強をしているとよく分からなくなってしまうことがあるのですが、陰虚と気滞という原因が違うと覚えておく必要があります。
陰虚と気滞を起こす原因にも違いがあるので生活習慣によっても肝火か肝陽かを鑑別することができます。
陰気の不足は加齢、疲労、房事、睡眠不足によって生じやすいものになるので、日々の生活習慣をしっかりと確認しておくことが必要ですね。
肝火の方は気滞と関係をしやすいので、情志の抑うつが大きく関係をしています。上肢の抑うつは簡単に言ってしまえば、ストレスがかかっている状態です。ストレスがあるときに、自分の感情を素直に出すことができないので、これを情志の抑うつと言います。
肝は曲直と関係し、昇りやすい性質があるので、肝火や肝陽という熱の病態と関係をしやすくなります。普段から上りやすい性質があるので、頭痛・めまいと関係をしやすいですし、頭頂部と肝経が肝経をするということにしたのではないかと思います。
勉強をし始めた頃は、肝火と肝陽は症状も内容も似ているのに何が違うのかを覚えるまでが大変でしたが、一度、理解をしてしまえば、簡単なものになるので、しっかりと覚えておくのがいいです。