風邪をひいて体調が崩れたときに、それまで毎日、正常に便が出ていたのが出なくなったり、下痢になったりしてしまうが東洋医学的には何故起こるのでしょうか?
風邪を引いて体調が崩れるときに、胃にも直接入ってしまう直中の状態になってしまえば、胃の状態も悪くなってしまうので、便秘や下痢が生じてしまうことがあります。例えば、冷たい物や身体に合わないものを食べて便秘や下痢になってしまうのは、直中によって生じると考えられます。
風邪をひいて、直中でないのに、便秘や下痢になってしまっている場合は、肺との関わりが出てきます。外邪の侵入は皮毛や鼻という肺と関係をしやすいところから侵入をしてくるのですが、肺の機能を弱めていってしまいます。
肺の機能が低下をしてしまうと、肺と関係をする肺経にも問題が生じてしまうので、皮毛・鼻から肺、肺経へと病が伝わっていきます。肺経の体内流注はどうなっているかというと、「中焦から始まり、大腸を絡い、肺に属する」ということから肺経はお腹にも大きく関係をしていきます。
これは外邪によって体調を崩す人がいて、外邪による症状は咳が起こりやすいから咳は肺と関係をしているしということで外邪・肺・咳が一致をした状態だと思いますが、さらに外邪によって消化器症状を発生させてしまう人がいるので、肺は咳とも関係をするけど、お腹に関わりやすいのではないかということから中焦との関係を入れた可能性があります。
もちろん、肺は表裏で大腸と関係をしているので、大腸の調節障害が発生すると便秘や下痢が出るという説明をすることが出来るので、どちらが正解かという訳ではないですが、複数の経路があるのだろうと考えるきっかけですね。
肺経が中焦から始まっているというのは、肺は脈と大きく関係をすることから、経脈のスタートは肺経としていて、そうなると栄養を十分にないといけないので、肺が中焦から栄養をもらい、他の経に渡していくという考えもありますが、肺で使っていってしまったら、最後の肝経では何もなくなってしまうのではないかと疑問ですね。
ただ、こういった考えもあるということで昔の人の捉え方や考えを知っておくと、自分の中で何が疑問で何が分かりやすいかを分けることが出来るので、自分の知識は定着をするので、考え続けることが大切になります。
もしかしたら、中焦から肺経が栄養をもらっているという感覚を理解できるときや、そういった表現をされる方に会ったら、中焦から栄養をもらうという考えを理解できるかもしれません。
現代医学に限らず、東洋医学は人体の症状を観察した結果を陰陽五行に分けて捉える考えで作られたものなので、身体の感覚は人それぞれですし、そういった人がいる可能性もありますね。
そういった方はいないけど、情報をまとめてみたら、繋がっているとしか考えられないから、そうまとめたという考えもあるので、何が正しいのか分かりません。