背部のツボを触っていく際に基準となるのは棘突起であり、督脈になりますが、棘突起を触れないと基準が分からなくなってしまうので、棘突起を触れるコツを知る必要があります。
棘突起は人によって変化が生じやすいところであり、小さい子どもや成人ぐらいまでは比較的触りやすいのですが、成人以降になると、凹凸が狭くなったり、多く感じたりしてしまうので、迷いやすいところでもあります。
特に、腰痛などを長く持っている人は、階段変形が出ているので、棘突起が非常に触りにくくなっています。ふくよかな人も皮下の厚さによって棘突起が触りにくくなっているので、最初は身体の大きな人の棘突起を触るのは苦労することが多いと思います。
高齢者は棘突起が非常に触りやすい人もいるのですが、棘間がかなり狭くなっているので、棘突起上の凹凸と棘突起間の陥凹の区別がつきにくいので、触るのに苦労をすることが多いです。
どんな方でも触れられるようになるためには、基礎としての棘突起の目安を覚えておくことが大切なので、肩甲棘内縁を結んだ線が第3胸椎の下、肩甲骨下縁を結んだ線が第7胸椎の下、ヤコビー線を結んだ線が第4腰椎の下は覚えておくことが必要です。
姿勢や書籍によって違いがありますが、体表面から棘突起の高さを知る一つの指標になるので、必ず覚えておくことが必要です。第7頚椎は大きいので、そこから触れていく人もいるのですが、途中で確認をしないと迷子になってしまうことが多いです。
例えるなら、夜中に部屋の明かりがついていないところを歩いていたら真っすぐに歩けないので、壁伝いに歩くと思いますが、基準となる肩甲棘や肩甲骨下縁は壁の役割をして、間違えないように出来るものなので、棘突起を触れながら基準を確認しておくといいです。
第7頚椎から数えていって、肩甲骨下縁付近で第10胸椎になっている場合は明らかな間違いなので、もう一度、触れていくことが必要なので、途中途中で確認作業をするのが、棘突起を触れていくためのコツになります。
指の使い方も考えておくことが大切なので、上から下に棘突起をなぞっていくのではなく、指は棘突起の横から置く方がいいです。例えば、示指を第7頚椎の下に置いたら、中指が第1胸椎の下、薬指が第2胸椎の下、小指が第3胸椎の下というように触れていくと、反対の手が余るので、基準点との確認作業ができます。
示指・中指・薬指・小指で分けて触ったら、その幅がその人の棘突起の幅になるので、その指の幅のまま、それ以降の胸椎があるところに指をおけば、近いところで触れることができます。
胸椎はこの方法でいけるのですが、腰椎になると、胸椎よりも高さがあるので指の幅を少し広げていく必要があります。そのため、第12胸椎を触れた後は、幅が少し広がるはずだという思いを持って指の幅を少し広げながら確認をしていくと間違えることが減っていきます。
身体を触るのは体表に出ているところをしっかりと触れる必要があるので、そういった内容は以下のブログを参考にしてみてください。
「解剖学の重要性」