大き目の粗悪艾を皮膚の上に置いて、熱く感じたら取る方法を知熱灸と言われますが、最適な大きさはどのぐらいでしょうか。
私は学校で少し習った程度なので、卒業後に知熱灸を使ってみたのですが、大きさがどのぐらいがいいのかが全く分かりませんでした。流派に所属をしていて、先生に言われている人に取ってみれば当たり前なのでしょうが、私はそうではなかったので悩みました。
自分の身体で知熱灸がどう感じるのかをそれからしばらく行っていたのですが、あまりにも大きな艾炷だと、熱さを感じるまでが非常に時間がかかるので、結局、大きくてもあまり意味がないと気付くようになりました。
その後、自分の中では小指頭大の半分程度の知熱灸の方が扱いやすいし、熱を感じるまでの時間も短くなるので、治療で使うときには、その大きさでやるようになりました。硬さはそれほど拘りを持っていないので、艾炷を形成するときに圧迫するだけにしました。
知熱灸を使おうとすると、その部位に3壮ぐらいやることを考えると、作るのに時間がかかってしまっては時間のロスが多いので、力はそれほどこめていないです。
綺麗な形の方がいいのでしょうが、形の綺麗さにはそれほど拘っていないのですが、同じ行動を続けていると形が整うようになるので、今はそれほど汚い状態ではありません。
鍼灸師に会ったときに、知熱灸を使っているという話を聞くのは少ないのですが、流派や長く鍼灸をやられている先生の中では好きな方も多く治療の中に取り入れやすいものだと思います。
知熱灸ではどのような効果があるのかということも重要になるので、知熱灸の効果についても書いていきます。
痛みがある部位に知熱灸を行うと痛みが軽減することが多いので、痛みが非常に強い部位に行ったり、痒みがあるところに行うと痒みが消えるので痒みがある部位に行ったり、皮膚のつっぱりが強いところに行うと皮膚のつっぱりが改善するので皮膚の張りが強いところにおこなったりしています。
知熱灸を行うと何となくすっきする感じも多いので、治療の仕上げに知熱灸を行っていくと、すっきりと治療を終えることができます。特に肩まわりに行うと、すっきりとした感じが出るので治療の最後の方で行うと感謝されることも多いですよ。
知熱灸を1壮行うと、その部位に発汗をすることもあるので、2壮目からは楽に載せられますが、1壮目は載りづらいので、艾炷を載せるところを水で少しぬらすとすぐに載ります。
知熱灸はリズミカルに行うと非常に気持ちがいいので、知熱灸を行う前に何壮が作成しておいて、知熱灸を行っているときに追加で作成をしています。何壮も同時に行うと、患者さんはどこが熱いのか分からなくなるので、火をつけるのは時間差を必ずつけて、患者さんにも伝えておくことが大切になります。
患者さんによっては、熱い方が効くと考えてしまい、我慢をしてしまう人がいるので、温かさを感じて少し強くなってきたら教えて下さいと伝えておく必要があります。慣れてくると、このぐらいで熱く感じやすいだろうという勘も働いてくるのですが、最初は特に注意をした方がいいですね。