治療で関節が緩んでいくことが大切です―年を取ると身体が硬くなる理由

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 治療をした後に身体が緩むということは筋肉の張りが消えて身体が緩むことが大切なのですが、その結果として関節の緩みも生じます。ということは、関節の緩みが出てきたら治療効果があると考えることができます。

 関節は骨と骨が靭帯によって繋がれていますが、動きを管理調整しているのは、筋肉になるので、筋肉の影響を大きく受けます。年を取って身体が硬くなるというのは、使わない筋肉が出てきて、その筋肉は使われないと、いつも使っている範囲でしか動いてくれなくなるので、関節の動きが硬いことになります。

 

 身体が硬くなってしまって、関節が動かなくなり、それが痛みや疲労に関係をしているのであれば、治療後には関節の緩みが出ていないと、治療をしたことにならなくなってしまいます。

 

 関節の緩みを確認するのに一番簡単なのは動かしてみる、動いてもらうというのが一番なのですが、それだと治療を少しする度に動いてもらわないといけないので、治療を受けている人もかなり疲労をしてしまいます。

 

 では治療の中でどのように関節の緩みが出てきたかを確認するかと言えば、筋肉が緩んでくれば、関節の動きも緩みが生じるはずなので、筋肉の張りをみておくことが重要です。

 

 関節自体は慣れてくれば、触れてほんの少し揺らすだけで関節の動きを確認することが出来るですが、日々何年も行わないと分からないこともあるので、さらに簡便な方法が必要になります。

 

 関節は筋肉によって動かされていますが、筋肉全体を触るというのは難しいので、関節部の筋・腱を押してみるのが一番分かりやすくて簡便な方法になります。

 

 例えば、肘関節であれば小海・少海・曲池・尺沢が関節部にあり、筋・腱と関係をしやすいので、関節の緩みをみるための指標になります。膝関節であれば、陰谷・曲泉・委中・委陽・陽陵泉が触りやすく確認しやすいポイントになります。

 

 こういったところの圧痛を治療前に確認をしておくと、筋・腱が硬いということが分かるので、関節が硬いだろうと考えることができ、治療を一つでも行ったときに、再度、同じように圧痛や硬結を確認していって改善をしていれば、治療効果が出るというのが分かります。

 

 この考えはどの関節部にも使えるので、痛みがある・緩ませたい関節があった場合は、その関節部にある経穴をまず触れてみて、その硬さや圧痛が治療を加えてどう変化をするのかを継続してみていくと治療効果を想像することが出来ます。

 

 一度、自分の中で圧痛・硬結を診るのを癖にしてしまえば、この人はどのぐらいなのだろうか?という疑問が自分の中で出てくるようになり、その後、この人はこのぐらい硬いだろうという想像につながっていきます。

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