棒灸の使い方と効果

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 学校でのやり方はよく知りませんが、棒灸は学校にいるときにはちょっとだけ聞いて終わりだったような気がするのですが、他の学校はどうなのでしょうか。

 棒灸は治療院や人によっては好きな人が多く、治療では絶対に使うというぐらいの人もいます。棒灸の使い方にはいろいろなやり方があり、その治療院や人独自のやり方を行っている人もいます。

 

 棒灸の一番、基本と言える使い方は、ペンを持つように棒灸を持ち、鍼を刺入するように身体に近づけていき、熱さを感じたら離すのを繰り返すものです。鍼を刺入するようということで、押手を構えて持つと危険なのでやめた方がいいと思いますが、どうしてもやりたいという方はやってみて下さい。

 

 棒灸を近づけたり遠ざけたりすると、熱を感じるだけではなく、中に浸透してくる感じもあるので透熱灸や他の灸法と同じようなものになりますが、手間は簡単になります。しかし、近づけたり遠ざけたりという操作が必要なので、より簡単にするのであれば、棒灸ホルダーによって棒灸を固定してしまって、身体の上に置き続けるという方法もあります。

 

 仰向けであれば熱くなったら患者さんに自分で動かしてもらえばいいので、熱くなりすぎることもなく、より簡単になります。そこまで患者さんが出来るようになれば、自宅で棒灸をして自分を治療することが出来るので、治療効果があがりやすくなってきます。

 

 棒灸を置いておくのは熱すぎなければ心地よいので自分で練習として行う場合は、寝てしまって、灰が落ちてこないようにした方がいいと思います。

 

 棒灸を置いておけるようになると、例えば、命門と大椎に棒灸を2か所おいておけば、督脈の気血の流れをよくすることが出来るので、陽脈を刺激することで身体が温まっていきやすいです。

 

 棒灸自体はたまに灰をとればいい程度なので、長くやろうと思えば、鍼を置鍼しながらでも行えるので、数十分刺激をし続けることが可能です。人の手を使う透熱灸などだと、手間がかかるので大変さが出ますが、棒灸ホルダーを使うことで手間を省ければ、それだけ他の治療に手間をかけることができるので便利な道具になります。

 

 お腹の調子が悪いときにも、中脘や関元に長い時間、棒灸を置いておくことで治療効果を高めていくことができるので、治療室だけではなく、日常の体調管理にも役立つと思います。

 

 棒灸の難点は粗悪艾を固めて入れてあるので、煙が多いということですね。棒灸を1時間治療で使用すると、灸頭鍼を何壮か行ったような状態になってしまうので、臭いが強いし、洋服などにも臭いが付いてしまいます。

 

 治療院によっては、周囲から臭いでクレームが来る可能性もあるでしょうから注意が必要ですね。白い壁紙の治療院は棒灸をし続けると黄色くなってきますね。

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