失眠にお灸をしてもかんじない

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 お灸は小さい物でも60~100℃はいくものなので、体表に直接行うと熱く感じることがほとんどですが、全く感じないということもあります。

 失眠は学生中にお灸を練習する場所として定着をしているところですが、踵は体重を支えている場所になるので、皮膚が硬くなっているので、お灸をしても火傷にもならずに熱さを感じない傾向にあるところです。

 

 体重をささえているところになるので皮膚が薄くて感じ易かったら歩いていて、痛みをすぐに感じてしまうので、歩けなくなるので当然ですね。武道や生活ではだしで動くことが多い人は足の皮膚が厚めになっているからかお灸をしても感じない傾向にあります。

 

 失眠は学校の練習ではよく行うのですが、鍼灸師で失眠をよく使うと言う方は意外に少ないのかなと思うことが多いです。その理由を考えてみると、どういったときに使うのかイメージをしにくいのかなとも思ったのですが、失眠と書くので、眠れないと言う人に使うのでそういった方が少なければ使わないのかなと思いました。

 

 学校で失眠にお灸をしていても、もともと悪い人が少ないので、何に聞いたのかさっぱり分からないこともあるのが使わない理由かもしれないですね。他に考えられる理由として失眠はお灸をしても感じにくいところなので、治療効果を出すためにどのぐらいの刺激をすればいいのかが分からないのかもしれないですね。

 

 臨床の中で失眠のお灸をしても皮膚が厚いためか、感じないと言う人は非常に多いです。ではそういった方にどのぐらいのお灸をしたらいいのかも悩むことになりますが、お灸の基本があります。

 

お灸療法の基礎として言われるのは、

  • 皮切り三壮
  • 陥凹に用いる
  • 感じないところは感じるまで
  • 感じるところは感じなくなるまで

というのがあり、皮切り三壮というのは皮膚を切るまでは熱さがあるということで、三壮まではかなり熱いという意味で、陥凹に用いるのは、皮膚面を触れていって陥凹しているところにはお灸がいいと古典文献に記載があります。お灸の壮数に関しては、どれぐらいと決めるのが難しいので、簡単には感じない・感じるという感覚が変化をするまで行うのが必要だと言われることがあります。

 

 失眠は熱さを感じないところなので、お灸を感じるまで行おうとすると、壮数が多くなる傾向があります。しかも、壮数を重ねていくと、燃えきった灰を取り除かずに行うと、灰がどんどんと厚くなっていくので、お灸の熱さを余計に感じにくくなります。

 

 感じるまでやると言っても感じないのであれば終わりがないので、治療が終わることが出来ないですし、ちょっとやろうとしても終わらないであれば、やらなくなりますよね。ましてや、治療院によっては透熱灸を行わないで台座灸が中心のところもあるようですし、台座灸では失眠に熱さを感じさせるのは難しいと思います。

 

 失眠にお灸を行わないという話を何度か聞くと、こういった理由が重なってやらなくなっているのかなと思うのですが、治療効果が高くて火傷もしにくいところなので、積極的に活用するのがいいと思っています。

 

 失眠のお灸をしても感じない場合は、精神的緊張が強いことによって気血のめぐりが悪い人は、失眠が感じにくい傾向があります。足に強い冷えがある人も失眠のお灸は感じないことが多いので、片足何十壮になることも多いです。

 

 失眠に熱さを感じなくても、継続した治療を行っていると、だんだんと変化をして感じて行くことが多いですが、その場で感じさせようとすると艾炷を大きくするか、艾炷を硬くする必要があります。

 

 本当に感じないと言う人は、艾炷を硬くした上に大きくしても感じないので、非常に手間がかかることが多いです。その場合は、増強法として燃えている艾炷の上に作成した新しい艾炷を乗せていくことがあるのですが、突然に熱く感じるので、熱く感じたらすぐに取ることが必要になります。

 

 肝気がうっ滞していると気血は体幹にしか巡らなくなってしまうので、失眠には気血が巡らないので、お灸が感じなくても当然ですね。その場合は、うっ滞している気血をお灸によって誘導していると考えることができますね。

 

 冷えが強い場合は、陽虚と考えることが多いのですが、四肢は体幹と比べて考えると陽と言えるので陽気が不足すると四肢の陽気が不足をしやすいので、末端部に陽気を足すことが必要なのでお灸が効果的になります。

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