身体の持っている働きを陰陽に分類し、細分化したものが気の種類になり、衛気は営気との対応で陰陽を分類しているので、陽気と考えることができます。
衛気が陰陽の分類では陽であるというのは当然の知識として必要なものになり、陽と関係をしやすいので脈外に走行して、外側を守る働きがあるとされています。外側でる皮毛には腠理(そうり)という汗を出すところとも関係をするので、発汗にも関係をしています。
衛気は陽気と考えられるので、こういった内容が決められているのですが、物事には必ず陰陽両面があるので、衛気にも陰陽両面が存在しています。
例えば、男性は陽、女性は陰と陰陽で分類することがあり、絶対的な定義と言えますが、男性だけ、女性だけを考えた場合、その人の中に男性・女性性が存在していると言えますし、活動・静止性が存在しているので、陰陽の可分の法則を考えると、物事には必ず陰陽両面が含まれます。
衛気は教科書的には陽と分類をされていますが、陰陽という考えからすると、衛気にも陰陽両面が存在していると考えることができますが、どういう働きになるのでしょうか?
陽と関係をするのは、先ほども書いたように表面や外邪と関係をすることになります。陰と関係をするということは、身体の中との関係も必要なので、衛気の陰の機能は身体の中に対する働きかけだと考えることができます。
衛気の基本的な機能は動きが早いということであり、動きがあるというのは熱を生み出すことにもなるので、衛気は温める働きがあると言えます。温めるという機能は陽気と考えることができますが、表層だけではなく深層を温めると考えた場合には、陰にも関係をするともいえます。
陰の部に関係をするということでは陰に該当し、陰を温めるということでは純粋な陽として考えることができます。活動性が高く、身体の中に走行をするということは、身体の中での防御や回復にも関係をしているので、滋養する働きにも関係をするので陰とも言えますし、陰の中で動・生を与えるということで考えれば、やはり陽として考えられます。
エアコンは電気を通していれば使うことができますが、日々、使用しているとフィルターに汚れが溜まったり、内部に汚れが溜まったりしていきますが、身体も同じように日々の生活で少しずつ、疲労や汚れが溜まるのが当たり前ですよね。
その内部の汚れや修復を治していく機能が衛気にあると考えられるので、衛気は疲労回復に大切なものになります。営気も同様に滋養する働きがあるので、疲労回復に関係をしていますが、営気は脈内を走行しているので、脈外という陽の部分の滋養には優れていないので、衛気が担当をすると考えられます。
衛気が修復をし、その後は営気と血が脈内を走行することによって様々なところに滋養を与えて、身体が回復をしていくと考えられます。身体の中では陰と考えられますが、陰に対しても衛気・営気という二つの気がそれぞれのよいところを使いながら、身体を維持していっています。
衛気の働きの根本は陽と言うことができますが、陰の部にも働きかけているので、衛気の陰の面は、身体の中に働きかける機能と言えます。