完璧な触診を目指す

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 治療をするのであれば、見たら分かる、聞いたら分かる、話したら分かる、触ったら分かるようになりたいというのが多くの人の希望だと思います。その中で完璧な触診を目指すということについて書いていきます。

 触って分かるようになるというのは熟練の技術として考えられるので、普段からの努力と意識が大切になっていきます。人の感覚は鍛えれば鍛える程、強くなっていくものなので、手の感覚を意識することによって完璧な触診を目指していくことができます。

 

 触診を完璧にするのであれば、まず必要なのが構造に対する知識になるので、筋・骨格という現代医学の知識も大切になり、東洋医学の経絡に対しての知識も重要になっていきます。知らないものは触ろうと思っても分からないですし、触っても何か分からなければ触った感覚を自分の中でデータとして残すことが出来なくなってしまいます。

 

 ということで私自身も治療をしながら解剖アプリで筋、骨格を確認したり、経絡の走行を考えながら触ったりするようにしています。そうやって普段から意識をするようになると、本当にここでいいのかという疑問が生じてくるようになるので、書籍などを見ることによって確認をすることになります。

 

 トライアンドエラーと言われますが、物事を身に付けたり、出来るようになったりするためには、トライ(挑戦、試す)して、エラー(失敗)から学ぶというのが大切になります。

 

 スマホのフリック入力も何度も失敗するうちに覚えていき、だんだんとスピードがあがって考えなくても出来るようになるので、触診を完璧にするのもトライアンドエラーが必要になっていきます。

 

 骨の構造も学校時代に学習をしているはずですが、現場に出ていろいろな体型の人を触ると同じ身体の人がいないので、その度に確認しながら触っていくことが大切になります。触りながら何かを見るというのは非常に難しいと思いますが、今は解剖のスマホアプリもあるので、説明しながら筋を触れて確認していけば、説明と学習と同時に行えるので、一石二鳥になりますね。

 

 触診技術を強めていくのであれば、圧の強さに頼ってしまうやり方だと、指先の感覚が鈍くなってしまうので、出来るだけ軽く触っていくことが大切になるので、押さないようにして触るのが重要になります。

 

 軽く触るのが重要だからと言って、指先をそっと触れるようなやり方で行えば、くすぐられているのと同じになってしまうので、触られる方は辛いので、掌はしっかりと体表に付着をさせておくことが必要です。

 

 練習方法の一つとして、例えばみかん触れていくときに、みかんを潰さないように圧をかけない状態で皮が少し凹む程度の圧で中の状態がどうなっているのかを考えるのも日常生活の中で感覚を鍛えるものになると思います。

 

 皮が凹んで元にもどらないようであれば圧が強すぎるので、力をかけないように包み込むように持ちながら指先に意識を集中させることが必要になります。

 

 人の身体はタンパク質で出来ているので、魚や肉などを触るのも感覚を鍛えるのに重要なことだと思うので、焼肉に行ったときに肉を焼いたものをトングで少し触ってみて、堅さが変わっていく様子を、道具を使って感じるようになると、鍼先の感覚を学ぶのにいいですよ。

 

 とても細かいことになりますが、こういった日々で養った五感の感覚が重要になります。東洋医学は機械を使って診断するものではないので、自分の五感が診断する上では重要になるので、日々、五感に刺激を与え続ける生活を考えるのが重要になります。

 

 最近では魚や貝を自分で焼く店も増えましたし、そういったところか焼肉屋で感覚を鍛える訓練と称して行って、家に戻ってみかんを食べるときに、皮の上から触診するのを行えば、楽しさと練習が同時に行えます。

 

 まずは始めて、続けてみる。半年もすれば何かが変わったことに気付きます。継続するのは力ですから、やり続けることが重要ですね。

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