治療中や治療後に効果の確認をする人は多いでしょうし、継続治療では前回からの効果の確認をする人は多いでしょうが、効果の確認をするのでは絶対に注意をするべきことがあります。
治療効果の確認は、出来る人はしっかりと出来ていて、会社や組織として機能しているところは、出来ているのですが、多くの治療家が出来ていないものになります。特に最初のうちは、治療効果がどのぐらい出たのか分からずに、尋ねるのも怖くて聞けないという人もいますが、成長にもつながらないので、治療効果の確認は必ずしておいた方がいいです。
この治療をしてどのぐらいの治療効果があったのかは、確認をしないと分からないので、特に初心者のうちは、治療効果の確認をよく行っていないと今後、成長をしなくなってしまいます。
「変わりましたか?」「痛みは改善しましたか?」「治りましたか?」「よくなりましたか?」というのはよく使われる言葉ですが、これらの言葉は使ってはいけない単語になります。
あれ?いつも使っている言葉だと思った人は注意する必要があるので、何故、使ってはいけないのかを説明していきます。
人の身体は、部品を取り換えて済むようなものではないので、何かをしたからと言って、全部が消えてしまうことはありません。もちろん、ちょっと治療したら全て改善をしたということもありますが、ほとんどの症状は1回で全てなくなるということがないので、変化をしていくというのを自分が理解し、患者さんにも理解していってもらうことが大切になります。
では、どのような言葉があるかと言うと、「変わりましたよね?」「変化しましたよね?」というようにイエス・ノーで答えらえる質問で、イエスと答えてもらっていくことが大切になります。
例えば、ぎっくり腰の治療において痛みがあまりにも強いのが少し動けるようになったのであれば、変化が出ているので、「最初と比べて変わりましたよね?」と尋ねていくことが出来るので、「はい」という答えをもらうことができます。動きの改善は見ても分かるものなので、可動域を見ておいて、患者さんにも確認をしてもらうことで、変化をしたというのを実感してもらうことが大切です。
治療者としては、完全によくするまで行うという意識は大切なのですが、先ほども書いたように人の身体は10が0になることはないので、どのぐらい変化をしていったのかを確認していくのが大切になります。
内科系の調子が悪い人で症状の変化が分かりにくいのであれば、例えば、腹診でお腹の状態を確認しておいて、圧痛が改善するようであれば、「押した痛みは先程と変わりましたよね?」と尋ねていくことができます。
圧痛があるところに対して、鍼を置いておくだけでも変化をしていくので、「押した痛みは先程と変わりましたよね?」と尋ねていくことができます。鍼を置く治療に関しては、ブログに書いています。
患者さんから信頼をされやすい先生というのは自然とこの「変わりましたよね?」という話しをすることが多いので、身体が変化をしてくというのを理解してもらっていることが多いです。
脈診の治療は勉強しようとすると難しいと感じることも多いでしょうし、自分の治療として取り入れるのは難しいと思う人は、本能的には正解になります。脈診は患者さんが分かるものではなく、治療者だけが感じているものなので、患者さんは脈の変化では治療効果が分からないので、症状が改善したかしないかだけかになってしまいます。慣れている先生であれば、脈診だけではなく、会話や治療の中で、「変化をしましたね?」という質問を入れていることがあるので、治療者としては、治療効果の尋ね方は重要になります。
触診系で圧痛変化をメインにする方法は、押して痛いのが変わるというのを治療中に患者さんも感じて、治療者も確認をしているので、非常に分かりやすく患者さんと治療中にコミュニケーションを取っていると言えます。
鍼灸治療だと患者さんが体感しても分からないということがあるので、「分かる」と言う状態を作るというのは非常に大切になります。
美容・無資格系と言われている方達はビジネス系も多いので、多店舗で展開しているところであれば、「ここが変わりましたね?分かりますよね?」という言葉が治療中に入ることが多いので、ビジネス的にも重要なものだということが分かります。
多店舗展開をしている無資格系は、治療効果を求めていくと、残念なことが多いですし、お金も意外と高いのが多くて嫌なのですが、院内のまとめ方と治療中の会話や患者さんへの説明は非常に参考になることが多いので、たまに行くようにしています。
治療をして少し変化をしたというのを理解してもらうと、治療効果があるというのを実感しますし、次の治療では、この変化を目指しますと伝えられるようになると、患者さんも治療が終わるまでのイメージが付きやすいので、説明で取り入れるようにしています。
鍼灸治療という東洋医学では未病(病気でない状態)の状態でも治療を続けるという養生の考えが言われることがあり、実際に重要なので、患者さんに説明する人もいると思いますが、進行が分からないと嫌になってしまいます。
例えば、山に登るとして、後どのぐらいなのかどこにいるのかが分かればモチベーションも続きますが、何も伝えらえなければ、分からないというストレスが強くなってしまうので、反発を招いてしまいます。分かっても反発をするというのもありますが、それはちょっと置いておきます。
東洋医学を理解している人ならいいですが、治療に対する説明を簡略化したら、
「永遠に通い続けて下さい。途中経過は身体がよくなるので実感をしてください。」
と言われたら、ふつうは嫌ですよね?
途中経過を理解してもらいながら、継続していくのにも治療効果を実感してもらうのにも、「変化を理解してもらう」というのを視点として入れるのが重要になります。
ビジネス系の書籍でも同じような話しがあるので、例えば、物品を販売するような場合は、相手に「ノー」という単語が出ないようなトークをすると、結果的に「イエス」と出る可能性が高くなるので、テクニックとしても言われています。
例えば、薄手の洋服しかないので厚手の洋服を買おうかと考えていたときに、
「その洋服だと少し寒いですよね?」
「洋服を探しに来たのですよね?」
「暖かい洋服がいいですよね?」
という言葉をかけ続ければ、「イエス」が多いので、売上になることが多いと言われています。
ビジネス書の会話などの書籍も患者さんとの会話でどういった話し方がいいのかという参考になるので、書籍を自分の仕事に置き換えて、理解してもらいやすいようにしていくのが大切です。