副鼻腔炎の治療と対処法

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 副鼻腔炎の患者さんを診ることがありますが、一度、副鼻腔炎になると、何度も繰り返すようで、非常に苦しい思いをされていることが多く、治療だけではなく、日常的な対処も話をすることがあります。

 副鼻腔炎は、鼻の奥でウイルスなどの除去を行っている副鼻腔というところが炎症を起こしてしまって、膿がたまってしまい、鼻づまりだけではなく、鼻閉、鼻汁、頭痛、顔面痛が生じてしまい、頭痛と顔面痛があるので、集中力が途切れてしまうことになり、頭がボーとしてしまうことが多いようです。鼻水が喉の奥に落ちていってしまうことによって咳もひどく出てくるので、鼻水と咳が続く状態になります。

 

 風邪をひいたり、疲れがたまったりすると出てきてしまうようなので、年に何度も副鼻腔炎になってしまい、慢性副鼻腔炎になると手術を行うこともあります。最初は急性副鼻腔炎から始まり、何度も炎症を起こすことによって慢性化していく病能で苦しんでいる人も非常に多いです。

 

 患者さんによっては、家族全員副鼻腔炎になっているという話を聞くこともありますが、全員が同時になってしまえば、日常生活でも苦労することが多いと思います。

 

 治療としては、水様性の鼻水が出ている状態は、寒が強いと考えられるので、身体が寒の状態が続くと熱化をしてしまうので、黄色の鼻水になると考えられます。副鼻腔炎になっているときには、黄色の鼻水が出ているので、熱が上部に阻滞していることがわかります。

 

 原因はいろいろ考えられるのですが、弁証を出すのではなく、対処療法も重要になってくるので、対処療法に関して書いていきます。

 

 鼻疾患に対応しやすいツボは上星があるので、上星に鍼かお灸が効果的になります。鍼を刺入する場合は、鼻の方に向けて刺入をしていくと効果が出やすいです。お灸の場合は、何壮か行っていくと、熱が段々と鼻の方に降りていくように感じる人が多いようで、鼻付近まで温かさを感じるようになると、鼻の通りがよくなることが多いです。

 

 後頭部も鼻疾患に対しては効果的なことがあるので、鼻の高さで後頭部の圧痛や硬結に対して施術を加えると症状が軽減をしていくことが多いです。鼻局所の迎香も鼻疾患には効果があるので、上星、後頭部、迎香は副鼻腔炎の治療においては重要なところになります。

 上星の細かい説明に関しては以下のブログに書いてあります。

上星

 

 副鼻腔炎では、顔面部に圧痛や痛み、不快感を生じていることが多いので、その局所の部位に台座灸を行うと、顔面部がすっきりするような感じが生じて、副鼻腔炎も楽になることが多いです。

 

 顔面部に透熱灸を行うのであれば、点灸紙を使うと、火傷をしにくくなるのでお勧めですが、台座灸よりは技術が必要になります。

 

 顔面部への治療では他には、灸頭鍼、知熱灸、鍼通電療法を行うことができるのですが、鍼通電療法の場合は刺激量が多くなりやすいので、痛みが増強してしまう可能性があるので、注意が必要になります。

 各療法については以下を参考にしてください。

知熱灸の最適な大きさと治療効果

灸頭鍼の効果と使い方

 

 日常的な対処の仕方については、風邪をひかないことになるのですが、絶対に風邪を引かない方法がないので、適度な運動と休養を心がけてもらうようにするのが大切になります。ストレスや忙しさでも悪化をしてしまうことがあるので、日々の生活コントロールが大切になると伝えておくのが重要だと思います。

 

 風邪と副鼻腔炎の予防では、鼻うがいも効果的だと言われるので、通常のうがいだけではなく、鼻もうがいをして汚れを貯めないようにするのがいいと伝えています。食塩水を自分で作ることによっても簡単にできるのですが、製品を使ってしまうのも簡単な方法だと思います。

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 副鼻腔炎に対処する薬も販売をされていますが、基本的には漢方薬になるので、肺の治療を行える漢方薬は効果が出やすいと言われています。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)や小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、葛根湯(かっこんとう)が代表的になります。

 

 葛根湯は風邪の引き始めに効果があるものなので、副鼻腔炎になってしまったときは、効果が薄い可能性がありますが、初期のときにはいいと思います。小青竜湯も風邪で鼻水が出るときに使われるもので花粉症によく使われているので、黄色の鼻水の状態になったときには効果が薄いと考えられます。

 

 荊芥連翹湯は、清熱・排膿の働きがあるので、黄色の鼻水が出てきたら、こちらの方がいいと思います。ただ、漢方は市販でも購入できるのですが、医師の処方箋がある方が安く収まるのでいいのですが、医師は基本的には現代医学で治療をするので、漢方を処方することが少ないので、市販で薬剤師などに相談をして購入をするのが早いと思います。

 

 他に、一般で対応できそうなものは、なた豆と言われている刀豆(とうず)があります。これはサプリメントの形状でも販売されていて、費用は安いです。刀豆は行気薬と言われていて、降気止逆(気を降ろして、逆を止める)の働きがあり、虚寒の治療薬として使われますが、排膿作用が強いです。

※逆:気逆証とも言え、「気逆という考え方」を参考にしてください。

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