鍼治療でダイエットがしたい

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 鍼灸師として治療をしているとよく聞かれるのが痩せる鍼をお願いしますということですが、効果はありますが、それだけに頼ると無理としか言えないですよね。

 そもそもダイエットという言葉は食事療法を指すので、ダイエットと鍼を組み合わせること自体が言葉としては誤りですが、「痩せる=ダイエット」という認識なので、仕方がないですね。

 

 ダイエット法は飽食の世界においては、新しい物が沸いて出てきて消えていくのを繰り返しているので、健康に関する業界にいると、またこの方法かというような物が多いと思います。

 

 食べれば痩せる、この運動で痩せる、これをすれば痩せるというパターン化してしまっているので、シャボン玉のようなものがダイエット法かなと思っています。ダイエットが確実で、絶対的な物なのは、病気で体重が増えていない限りは、運動と摂取量のバランスに尽きてきます。年を取ってくると基礎代謝量と運動量が減るので、若い頃と比べたら、どんどんと摂取カロリーを下げる必要があります。

 

 若い頃のように食べられなくなったと言っても、基礎代謝と運動量が減っている状態では、若い頃と比べたら半分ぐらいのカロリーでも本来は生活が出来てしまうのですが、一度、習慣として身体を教育してしまった場合は、改善するのに意思の力が重要ですが、人の意思は豆腐のようにもろいので再教育が難しいのですよね。

 

 よく言われるのは、胃を大きくしてしまうと、小さくするのに時間がかかるので、面倒な人は、胃を小さくしてしまえばいいという話もあるのですが、それも強引な方法で、結局、食べられない状態を作っても、食べ続けてしまえば、身体は適応しようとするので、継続した効果になるとは考えにくいですね。

 

 ダイエットで特に注意をしないといけないのは、食事量になるのですが、見逃しがちになるのが間食です。間食は頂き物やちょっと購入してしまって、食べ続けることが多いので、気づいたら結構なカロリーになってしまうことがあります。

 

 成人の基礎代謝カロリーを2000キロカロリーとして、日々の運動量を足して、2500キロカロリーが一日で必要なカロリーになりますが、例えばコンビニでサンドイッチやオニギリにドリンクを購入したとしたら、400~500キロカロリーになります。

 

 昼食はランチや弁当でも量がしっかりしていることが多いので、500~700キロカロリーになります。夕食もしっかり食べる人が多いので、同様に500~700キロカロリーになります。

 

 ここまでで、一番大きな数字で足すと、

500+700+700=1900キロカロリー

になるので、ほぼ基礎代謝に到達します。

 

 コーヒーショップのしっかりと甘さがあるようなものであれば、1杯700~1000キロカロリーあるので、もし、1週間に1回飲むようであれば、その日はそれだけでオーバーになってしまいます。

 

 食事以外で全く食べないと言う人もいますが、少し甘い物を食べて、ドリンクを飲んでいるようであれば、あっという間に500キロカロリーに到達します。食事だって、油物、甘い物が入っていれば、1食で1000キロカロリーに到達するので、飲み会でもあれば、簡単に超えることが出来ます。

 

 例えば、2500キロカロリーで十分なところ、毎日3000キロカロリー摂取をしていて、週に何度かは4000キロカロリーを摂取しますとなれば、どうやっても痩せる訳がないですよね。

 

 それが鍼治療をして減らしたいということは、お金を使ったけどより増やして欲しいという願いと同じなので、個人の節制が重要になってきます。

 

 鍼灸治療では、体質にあった治療を行うことにより、食べ過ぎていた方は食べ過ぎないようにしたり、身体に停滞しやすい人は停滞を除いたりということで、体重減少に働きかけることはありますが、それだけで対応するのは難しいので、ダイエットを中心で治療をするのであれば、徹底的な食事管理と指導が重要になります。

 

 お腹の状態と整えると、体重の増減には働きかけやすいので、お腹に数十本の鍼を刺せば、効果が見られると思います。ウエスト減少という治療や話もよくありますが、腹部は内臓と脂肪などの軟部組織で出来ているものなので、少し何かをすれば、移動をするので、ウエスト減少を見せるのは非常に簡単ですが、継続した効果にするのには時間と努力が必要になります。

 

 耳鍼もダイエットで使われていますが、身体の治療と節制がセットにならないと、効果が出にくいので、耳鍼は補完的な物として使うと効果が得られやすいです。

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