鍼灸師は整体師

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 整体師というと鍼灸師ではないと思うかもしれないですが、鍼灸師は整体師になります。

 強引な理論で説明をしたので、ちゃんと説明をしていきたいと思います。整体師というと、整体院をイメージしてストレッチのような感じで身体全体を整えるマッサージのような印象を持っている人が多いでしょうね。この整体師という概念で言えば、鍼灸師はマッサージをする資格ではないので、鍼灸師は整体師ではないと言えますね。

 

 整体という考え方は身体を整えるということになるので、鍼灸師は東洋医学という考え方をベースとして身体を整えるので、整体師ということができます。

 

 鍼灸師の方は整体師と名乗るといいと思いますが、整体師とうたっていて、治療で鍼灸を行ったら、患者さんの方が鍼灸をするのですか?と驚くでしょうね。

 

 鍼灸も有名なものですが、イメージのしやすさと手軽さで言えば、整体の方がイメージしやすく、鍼灸とは別のものとして捉えられているので、鍼灸師が整体師と名乗ると混乱する患者さんが多数発生するので実際には使うことができないですね。

 

 鍼灸でどのように身体を整えるかと言えば、ツボを使って身体を整えるので、ツボがどのように身体を整えるのかを考える必要があります。ツボは経絡に属しているので、ツボを使うと経絡に作用することができます。

 

 経絡は全身に存在するもので、環状道路のように循環をしているという考えなので、ツボを使えば、この循環に作用をするので、全身くまなく調整することができるので、整体をしている状態です。

 

 東洋医学の考えでは、経絡は臓腑に属しているという臓腑経絡説がもとになっているので、経絡に作用をするということは、臓腑に対しても作用をしていることになります。臓腑は経絡を循環させる働きもありますが、身体の構成・栄養を行っていく気血津液とも関係をしています。

 

 東洋医学の治療で気血津液弁証と臓腑弁証が大切だというのは、この身体の状態を整えていくのに、どこから治療を行うのかを決定できるのが、この2つの弁証法になるので、重要だと言われています。

 

 このように身体を整えるのには、知識だけではなく、考え方を使うというのが重要になるので、考え方を身につける上では経験も重要になっていきます。東洋医学では師匠に付く方がいいというのは、考え方のパターンを身につけるためには、人の真似から入るのが簡単なためですね。

 

 人の考えを真似て完全ではないまでも同じように出来るようになるのが習得に取って大切なので、これを守と呼びます。

 

 同じように真似ていても完全に同じ人間になることは出来ないので、真似るだけではなく、少しずつ自分の経験と知識を入れていくのが破と呼びます。

 

 真似るだけではなく、自分の考えもいれて出来るようになると、人の真似ではなく、自分流のやり方になっていくのをは離と呼びます。

 

 この考え方は「守破離」(しゅはり)と言われるもので、日本の茶道、武道、武術の中で言われるものですが、鍼灸師や技術職に取っても大切なことなので、いろいろな場面で聞くことがある単語になります。

 

 普通の事務作業だって、人にやり方を教わって、自分の経験と知識によって自分なりのやり方になって、新しいものでも対処を出来るようになるので、人生の目標の一つは守破離とも言えますね。

 

 例えば、親の真似をしていたのが、友人や周囲の環境を取り入れながら、親と違う人になり、最終的には、自分というものが形成されていくのが当然ですよね。

 

 何だか話がだいぶそれてしまいましが、整体ということは東洋医学の考えでは重要なことなので、鍼灸師も整体師だと思って、身体をどうやって整えていこうかと考え続けるのが臨床に取って大切ですね。

 

 鍼灸だけではなく、手技も同じなので、揉むだけではなく、どうやったら全身を整えて、主訴や体調が変化をするのかを考え続けることが大切ですし、そのためにはいろいろな経験や知識が重要になると思います。

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