治療院でよくみかける疾患は肩こりですが、肩こりの問診で重要なことがいくつかあるので、肩こりの人に対してどういった問診をした方がいいのかについて書いていきたいと思います。
ただ単に肩こりだと思っても危険な病態が潜むことがあるので、肩こり以外に強い症状などが出ていないかを確認することが大切です。例えば、吐き気や頭痛、夜間痛、発熱があるときも危険なので確認をしてくことが大切です。
しかし、危険性がないかを判断するために肩こり以外のことを聞くことが大切になるのですが、患者さんからしてみたら、肩こりについて話をしたくて来ているのに違うことを聞かれるのは要望と違うことになるので、不快感を持たれることがあるので、肩こりについて少し話を聞いてから他の症状の確認をする方がいいです。
いろいろと症状を確認していくと、他の症状を訊ねていくのをすっかり忘れてしまうことがあるので、吐き気・頭痛・夜間痛・発熱は絶対に確認をするのだという気持ちが大切になります。
吐き気は精神的な刺激でも起こることがありますが、消化器の異常、脳の異常など身体の大きな問題によっても発生することがあるので注意が必要です。頭痛も同じようにいろいろな問題の結果で表れることがあるのですが、日常的に発生しやすい症状なので頭痛がある場合はどういったときに発生しやすいのかを確認することが大切です。例えば、肩こりがひどくなると頭痛がするというのであれば、肩こりと因果関係がありそうなので危険性は低そうだと考えることができます。
夜間痛はそれだけでは危険性があるとは判断をしにくいのですが、夜間痛・安静痛は内臓疾患から発生することもあるので、危険性がありえると考えた方がいいです。ただし、普通の肩こりでもひどくなってくると夜も痛くて眠れないような状態になることがあるので、いつから夜間痛が始まったのか、夜間痛の日々の増減があるのかを訊ねていくことが重要になります。
例えば、肩こりでも楽な日はあるはずなのですが、楽な日にも関わらず夜間痛があったり、夜間の痛みがどんどんと強くなっていったりするような場合は、肩こりが原因とは考えにくくなるので、他の疾患を疑うことも大切になります。
発熱は風邪のときに生じる症状の一つですが、感染性疾患や内臓疾患などでも発生することがあるので、発熱があるかどうかを訊ねておくのも大切ですね。簡単な方法は、風邪をひいていますかと尋ねるだけで済むので必ず確認した方がいい症状の一つですね。
こういったことを確認して初めて肩こりの問診に対する話になるのですが、どういった症状でいつ辛くなるかを聞く必要があります。患者さんからただの肩こりでも発生する状況は人のよって違うし、場所も違うので、どういったときの症状が増悪・軽減するのかを知っておくのが大切です。
例えば、同じ姿勢を続けて肩こりになるのであれば、同じ姿勢をしない生活指導を加えないといけなくなります。同じ姿勢は長くなくても、細かい作業をしていて、身体が前のめりの状態になっているのであれば、姿勢自体を考えないといけないことになります。
これだけの話でも治療内容や予後指導が変わっていくし、治療自体も変わります。例えば、同じ姿勢であれば筋肉に対処するというのが一般的になるでしょうし、身体が前のめりになっているようだと、他の部位から引っ張られていることもあるので、身体のほかのところも注意をして診る必要が出てきます。
もちろん、どういった状態でも身体の他の部分からの影響はないのかを考えるのが治療に取っても重要なので、姿勢・動きはどんなときでも確認をしておく必要がありますね。現代医学的に考えるのであれば、解剖学的な動きということで考えないといけないでしょうし、東洋医学的に考えるのであれば、経絡がどういった状態になっているのかを考えないといけなくなります。
過去に同じような症状が出たことがあれば、何によって改善をしたのかを訊ねていくことができるので、過去の症状の確認は治療方針の立案に取って大切になります。例えば、以前になった肩こりが辛いときは、お風呂に長めに入浴をしてよくなったというのであれば、温めるというのが治療方針として考えることができますよね。
ただ、2度目に症状として出てきている中で来院しているので、1度目の時に治ったやり方を忘れている場合は、生活習慣の見直しをすることで治療効果も高まることがあります。1度目によくなったやり方が効かなくて来院しているようであれば、以前よりは病態が変わったという可能性を考えていくことができるので、以前の経験というのは非常に大切になります。
症状の程度も確認することが大切なので、症状はどんな時に辛くなるかだけではなく、1週間、1か月というような単位で悪化をしてきているのかを尋ねるもの大切ですね。症状が悪化するのが続いているようであれば、身体の調子が落ち続けているので治療も時間がかかる可能性も出てきます。
肩こりだと、肩周囲の筋肉が張ったり、硬結が生じてしまったりすることによって生じると考えられるのですが、筋肉の下に神経が走行していることが多いので、しびれが発生することも多いのでしびれの状態も確認しておくと治療に役立ちます。
例えば、しびれが生じている部位が分かれば、どこの神経なのかが分かるので、その神経走行上の筋肉の硬結があるというのがわかるので治療ポイントを見つけるのに楽になります。頚神経の何番まで分かれば、神経刺激を行うことによって筋肉を緩め、しびれを除去するということでも考えられるので、しびれの確認は重要ですね。
他には頭痛と関係しやすい症状としてめまいもあるので、肩こりでもひどくなるとめまいが生じることがあるので、注意しないといけないポイントですね。めまいは脳・耳の異常でも発生するので、脳・耳に異常がないかを確認するポイントにもなります。
肩こりの問診の初歩として、現代医学的な内容を中心に肩こりの問診について書いてみましたが、東洋医学的な肩こりについての問診についてはまた書いてみたいと思いますが、こちらのブログが不十分でも参考になると思います。
「肩こりに大切な問診」