鍼灸師と柔整師はどちらからのがいいか

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 鍼灸と柔整は相性がいい資格になるので、両方の資格を取得したいという人がいますが、どちらから取得をした方がいいのでしょうか。

 

 この内容については過去のブログ(「柔整師と鍼灸師の資格の相性はいいか?」)でも触れていますが、私は鍼灸師から資格を取得した方がいいと思っています。

 

 鍼灸師は現代医学も学びますが東洋医学を学ぶのが必須な資格になるのですが、東洋医学を学んでいくのに、現代医学の知識があった方がいいのですが、最初のうちは現代医学の知識が多いと、混乱しやすい状態になるので、頭の中がクリーンなときに東洋医学を入れてしまった方が楽だと思っています。

 

 東洋医学で使う用語に関しては現代医学と同じものがありますが、内容が違うので混乱を生じやすいのではないかと思います。現代医学を一度しっかり学ぶと想像するよりも、物体としての考え方が強くなってしまうので、東洋医学で言われるような気という概念もイメージがつきにくくなってしまいます。この現代医学と東洋医学の違いに関しては、こちらのブログを参考にしてください。

「現代医学と東洋医学の違い」

 

 もちろん、一個人の意見なので絶対というのはないですが、周囲の資格者とどちらから学習をした方がいいかという話をしたときに、鍼灸師からの方がいいだろうという意見が周りに多かったですね。

 

 柔整師を先に取得をすると、現代医学の基礎内容が入って、現場にも出やすいのでいいという意見もあるのですが、柔整師として資格としても技術としても特殊スキルとなるのは、骨折・脱臼の処置になるのですが、そういった患者さんの多くは病院に行ってしまうので、整骨院・接骨院で見る機会が少なくなります。

 

 柔整師から先に取得をすると、しっかりと出来る柔整師になりたいという気持ちになることが多いのですが、柔整師の特殊スキルとなる骨折・脱臼の処置は病院になるので、勤務先は病院を選ぶ傾向がありますね。病院を選ぶことになってスキルは身に付くのですが、開業するときには整骨院を開業することが多いので、開業に関しての勉強と知識は別で仕入れる必要が出てきますね。

 

 患者さんは病院というネームバリューで来ているのもあるので、病院でできたと思っても、治療院を経営すると失敗してしまうことがありますね。

 

 働きやすいさと使いやすさでは柔整師という資格は非常に魅力的でもあるのですが、勉強する内容は現代医学が中心なのですが、現代医学も鍼灸師の方が細かく学習をするようですね。何故かと言えば、鍼灸だといろいろな疾患に対して治療をする機会があるし、鍼灸の効果が発揮するメカニズムも現代医学的にも学ぶので、解剖・生理学も細かくなるのは当然ですね。

 

 そういった面では、病気の成り立ちや原因、治療を細かく学ぶのは鍼灸師の方なので、鍼灸師の資格を取得するときに学んで、その後に柔整師の勉強をすると簡単な復習になって、知識が定着しやすいと思います。

 

 柔整師から資格を取得すると、大まかには学習をするのですが、細かいところについての学習が少ないようで、身体や病態についての理解が弱いので、鍼灸師のときには結局、一から勉強しなおさないといけないという話もありました。

 

 3年間という時間は短いですが、3年間同じ学習・やり方をしていれば、その形に染まるのは通常なので、どちらかの資格を先に取得するかによって、治療の考え方のベースとして現代医学か東洋医学に偏るのではないかと思います。

 

 もちろん、そういった垣根を越えて身につけられる人もいますが、そういった場合は、継続学習と意欲によって変わるので、どの人でも変えていくことは可能です。ただ、変えるというのは自分でやるしかないので、卒業後に形を作っていくのであれば、自分の努力が非常に大切だと思います。

 

 柔整師という資格を取得するには、単位を取得して卒業資格を得ないといけないのですが、授業科目に柔道が入っているのが大変なところではないかと思いますね。都を取ってから柔整師の資格を取得する人も多いですが、年を取ってから柔道は辛いという意見があるのは事実ですね。そういったところを重視するのであれば、柔整師は若いうちに取得して、鍼灸師の資格を後にする方がいいかもしれないですね。

 

 柔整師の授業に柔道が入っているのは柔道をしていると脱臼・骨折・ねん挫が多く、そういった処置を多くしていたので、柔道をしている人に資格を取得する物として作られたので、今でも柔道が入っていますが、私としては柔道という授業が本当に必要なのかを考えてもいいのではないかと思います。

 

 医療者としては身体を強くしていないといけないので運動が大切ですが、柔道である必要はないと思うのですよね。こちらのブログも参考にしてください。「柔整師の未来

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