はり師・きゅう師の国家試験は年に1回しかないので、それまでにしっかりと準備をしていれば合格しやすい試験ですが、準備が不十分で落ちてしまうと、2回目で合格するのはかなり難しくなります。
鍼灸師の国家試験の合格率はインターネットなどで見ることができますが、全国平均では70~80%の間になっています。70%台だと難しそうな印象を受ける人もいるかもしれませんが、鍼灸学校を卒業したばかりの人の合格率は90%以上で、国家試験に一度落ちてしまった人や新卒の時に受けなかった人の合格率は一気に下がります。
どれぐらい下がるかというと、年度によっても違うのですが20%まで落ちてしまうことがあります。既卒の合格率は学校毎で出てくることもあるのですが、学校によっても違いがあるので、0~100%まで開きがあります。
何故、これだけ合格率が低下をするかと言えば、卒業してしまえば、勉強を強要されたり、指導を受けたりしなくなるので、全て自分で勉強をしないといけなくなります。人は弱い者なので、自分で全部やろうとすると、勉強が後回しになってしまって、国家試験までに十分に勉強出来ないことが多いです。
看護師、理学療法士、柔道整復師の国家試験も同様で、新卒では合格率が高い傾向にありますが、既卒は一気に合格率が下がる傾向があります。
他の資格試験でも講座などを受講している人は合格率が高い傾向にありますが、独学で勉強をしていた人の合格率が下がる傾向にあるので、勉強する時間を作るのと、実際に勉強を継続するというのは、なかなか難しいことなのだと思います。
私もいくつかの資格試験を受けたことがありますが、合格率は30~60%程度の物が多いですね。実際に勉強をして受けてみると、それほど難しいことはないのですが、継続して勉強をしないと理解できないし、難しいのだろうと思います。
噂などで聞くことがありますが、何年も国家試験にチャレンジをしているけど受からないと言う人もいるので、鍼灸師に限らず、看護師、理学療法士、柔道整復師の国家試験を受ける方は、卒業の時が勝負だと思って、学生時代を過ごすことが大切になります。
学校によっては既卒の人も受けいれているところもあるようですが、全ての学校で開放している訳ではないでしょうし、学費がかかる場合があるので、そういったことを知りたい場合は学校に問い合わせるのがいいと思いますよ。
私個人の意見としては、“もし”というのを考えるのは大切ですが、“絶対に受かる”という気持ちが弱くなってしまうのは問題なので、“落ちたら”というのを考えるよりは、“どうやったら受かるか”を考えることが大切だと思います。
もちろん、当日に体調がものすごく悪くなってしまって、十分に力を発揮できなくて合格できなかったというのもあるでしょうが、鍼灸師の国家試験は、問題文も選択肢も短く、平易なものが多い傾向にあるので、覚えていれば体調が悪くても解ける物が多いです。
体調管理は、国家試験に向けてしっかりと整えていくというのが前提になるので、生活リズムを乱さないようにしておくことが大切ですし、試験会場まで行くのも遅刻をしないようにかなり早めに会場に向かうとなど、最新の注意を払った方がいいですね。
怪我などで受験できなかったという人もいるでしょうが、その場合は、本当に残念な状態ですが、悔やんでいても仕方がないので、次の国家試験に向けて勉強をしていくことが大切ですね。
私は大学に進学するときに、浪人をしたのですが、同級生達が大学生活を満喫している間に1人で勉強をしないといけないという状態を経験がしたことがあるので、辛さや寂しさは分かりますが、感情に支配をされたままになってしまうと、次の年でもいい結果を出すことができないので、気持ちを切り替えるのが大切ですね。
国家試験を落ちてしまったというのは非常に残念なことですが、人生が終わった訳ではないですし、落ちて一人で寂しく勉強をしたという経験は鍼灸師として非常に役に立つと思います。
例えば、病気や怪我がある人は、“何故、自分だけが苦しむのか”や“みんなは健康でいいな”という感情を持つことがありますが、失敗・苦労をした経験を持つ方は、そういった方の気持ちが分かることになるので、治療者としては大切な“心”を手に入れるきっかけと思うのがいいですよ。実際に苦労・失敗を経験している人で、前に進んで行ける方は、優しくて謙虚な方が多い傾向にありますしね。