上手いマッサージを受けると身体の触り方も上手になります

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 私は友人の治療者だけではなく、そこら辺にあるマッサージ系統のお店の治療やリラクゼーションを受けるようにしていますが、上手い人の手技を受けると、身体の触り方も上手くなっていきます。

 身体の触り方に正解はないので、いろいろな人の触り方を真似たり、反面教師にしたりすることによって自分の手が完成をしていくのですが、上手い人の手技を受けると自分の手の感覚がすごく伸びていくことが多いです。

 

 鍼灸師として鍼を刺入していったとしても、相手がどのように感じているのかは推測するしかないので、ツボを押すとどのような感覚になるのかという情報が沢山ある方がいいので、出来るだけ多くの人の触り方を自分の身体の感覚として取り入れておく必要があります。

 

 例えば、どのお店でも肩周り、腰回りはやることが多いので、いろいろな触り方があるので、触り方や深部を押された感覚を身に付けることは可能ですが、上腕を細かく触る人は意外に少ないですし、頚部の細かいところまで触る人にも遭遇するのは少ないです。

 

 鍼灸で使うツボは全身くまなく存在しているので、鍼を刺したときの感覚は全身に刺してもらわないと分からないですよね。ただ、鍼の場合は、深く刺入をすると構造的にも危険な部位もあるので、その場合は、触るとどういう感覚が生じるかぐらいは知っておくと、治療に役立つことが多いです。

 

 例えば、肋間部は鍼を刺入していくと気胸になる可能性が高いので鍼を刺入することは、ほとんどないですが、指であれば、骨粗鬆症がない限りは押していくことが可能ですよね。押してもらった後の治療効果も肋間は独特な物があるので、体感をすると肋間部は効果的なところなのだなということが分かります。

 

 鍼で応用する場合には、直刺で刺入することが出来ないので、切皮や水平刺で対応することが多いです。危険なところでもあるので、水平刺を行う場合でも慎重にする必要がありますし、切皮程度でも洋服に触れて入ってしまうことがあるので、切皮した後もリスク管理は徹底しておくことが重要です。水平刺のやり方に関してはこちらのブログを参考にしてください。

「斜刺と水平刺のやり方」

 

 上手い人は身体を触るときに体位も考えて圧を入れてくることもありますが、同じ筋肉に対してでも、圧が入ってくる方向の違いでも感じ方が変わることがあります。例えば、よく揉まれる部位である、背腰部の脊柱起立筋でも真上、斜め横、横から押されるだけでも感覚が変わりますし、側臥位、仰臥位で触られると感覚が変わることがあります。

 

 一人の身体で筋肉は同じなのに、ちょっとしたことを変えるだけでも感覚が変わるので、鍼灸の治療でも変化があるのではないかと実践をしているところです。先日は太渓の触り方でも参考になることがありました。

 

 仰臥位で身体を伸ばした状態で寝かせられていたのですが、通常であれば内側から太渓を真っすぐに押すことが多いはずなのですが、外側から四肢を回してアキレス腱の方向に引くように押すと何とも言えない独特の感覚がありました。言葉で表現をするのは難しいですが、今までに体験をしなかった感覚なので、それから太渓をいろいろな方向から触るようにしています。

 

 経験のある人や上手い人の手技は参考になることは多いのですが、なかなか上手な人に当らないですね。

 

 人の意見やネットの口コミを参考にすることもあるのですが、押す力は強いけど、技や工夫が全くないという人や、技はあるけど、ポイントがはずれていて残念なことが多いですね。

 

 本当に上手い人は、一瞬、触ってもらっただけでも当りだと感じることが多いです。言葉で説明が出来ないのですが、触り方が非常に滑らかで、身体を確認しながら触るので、身体と対話をするような感覚があります。

 

 そういう方は局所を触ってもらうときも、辛いところに手がすぐに届く感じがありますし、局所以外から局所を緩ませるときも変化が出るなと感じることがあります。どんな感じと言われても表現するのが難しいのですが、響きが出るような感じもあるというところですかね。

 

 そういった手の触り方だと、響きから緩ませてもらうという感じもあるのですが、身体を自然に緩ませていく手になっているのだろうなと感じます。どういう手なのか完全に分析が出来れば、説明も出来るし、自分の手の感触も向上するのでしょうが、なかなか綺麗に言葉で説明するのが難しいですね。

 

 仲間内で触りあうのもいいのですが、どうしても同じようなパターンになってしまうので、いろいろな方で、自分とあまり接点がない人の触り方を受けるのがやはり一番、勉強になりますね。

 

 触り方を学ぶために、いろいろな所にいったのですが、整骨院はやはり揉むという力が弱い傾向がありますね。ただ、治療として身体を触っていることがあるので、上手いなと感じる人もいるのですが、長く触ることが少ないからか、細かいところは弱いなと印象ですね。

 

 整体院は、本当に当り外れが大きく、さらに外れを引く可能性が高いですね。身体の説明などは分かりやすく、営業としては勉強になるのですが、得意不得意もはっきりしている印象があります。

 

 マッサージ・指圧院は揉むということは慣れているのですが、細かいところまでというとやはり少ないですね。ただ、最近は、マッサージ院に行く方が安定しているかなという印象ですね。

 

 患者さんから、マッサージ院のおばさんの手技は当りのことが多いよと言われていたのですが、確かにそうだなと感じることが多いですね。何故かと言われると難しいのですが、母の手という可能性もあるのかなと思います。

 

 母の手を経験していると、子どもを触れるというので、優しさを持ちつつ、身体を本当に心配して、揉みこんでくれることがありますね。男性の場合は、いい手技の場合もあるのですが、ちょっと頑固おやじ系になってしまっている場合がありますね。

 

 私もおっさんになってきたので、反省の毎日ですね。

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