治療家は治療をする仕事なので、患者さんの身体を治すことが大切ですし、患者さんに言うべき言葉、患者さんが言って欲しい言葉があります。
患者さんが治療に来られて、本当に言って欲しい一言は「治りますよ」という一言に尽きると思います。
けど、多くの治療家は「治る」という断言は言えないのではないのでしょうか、「よくなるよ」、「大丈夫」というのが精一杯ではないでしょうかね。ただ、患者さんが多く来院されていて、熱いなと感じる先生は、治療の話しをしていると「治る」という断言の言葉を言うことが多いなと思うので、やはり、患者さんとしては「治る」と言ってくれるところに行くのだろうなと思います。
ちなみに私は「治る」と断言はしていないです。
何故だと言われると、人間の身体だけではなく、全ての物は変化が生じたら、完全に元に戻ることがないので、「この症状は消える」ということは言えても、完全によくなる「治る」という言葉は言えないですね。
日本語だと普段、使っていて自分の使い方なども出てきてしまうし、イメージも豊富なので難しいので、英語で治るということを考えてみるとcure(キュア)と言います。このキュアは治療・治癒ということになり、外人の方と話していると、キュアであれば、治ったら通わなくなるという意味もあるよということを言われました。
ということで、継続して通う患者さんがいてキュアにならないのであれば、care(ケア)だと言われたことがあります。ケアという意味は世話、介護、関後、医療などのサービスということであり、継続している患者さんへの話しはケアでいいだろうと言われました。
長く通っている人のことを考えると、その時々の症状は変化をしているので、キュアをしているとも言えるのですが、本態的に治っていないので、ケアでとも言えるなと納得をしました。
こういったことも聞くと「治る」とは断言できないですよね。
ただ、患者さんが何を言ってもらいたいとかと言えば、症状や体調が悪くて困っているので、それが「治る」というのを目的にしているので、「治る」と言う言葉を提案するのが必要なのは理解しています。
多くの治療院の先生に会った人に話しを聞いたことがあるのですが、流行っている治療院の共通する特徴は、院長が「治る」と言うし、「断言」することが多いという話しでしたね。確かに、多くの患者さんが来ている先生と話をすると「治る」という言葉だけではなく、会話の中に「断言」が非常に多いですね。
私が重病になったとして、医師から「よくなりますよ」と言われるよりも「治る、絶対治る」と言われる方が嬉しいですし、求めますよね。
しかし、全ての物事を見通すことが出来ないのが人生なので、不確定なことを断言するというのは難しいですよね。誠実であろうとすれば、100%に戻るということはあり得ないので、やはり断言は難しいですね。ただ、断言をすると、こちらは全力で元通りにするために努力をしないといけないでしょうし、患者さんの方も「治る」と信じてくれるので、相互作用が高まり、治療効果も上がっていくのかなと思っています。
私の中では度々、考えることなのですが、やはり「治る」という断言は今のところ出来ないですね。いつかは出来るのでしょうか。はなはだ疑問です。