奇麗なお通じがありますか?

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 身体の状態を判断するのに症状や生活習慣を知るというのが大切なのですが、便の状態を知るというのは誰にでも分る簡単な体調チェック方法です。

 あなたは毎日、自分の便を見ていますか?

 

 もちろん、愛おしいように見ている必要はもちろんないのですが、身体の中に入ってきたものが出てくるのが便になるので、便の状態を見ていくことで、身体の中の状態も判断していくことができるので、排便があったら、必ず見ることをお勧めします。

 

 ただ、最近のトイレはよく出来ているので、立ちあがったら流れてしまうときもあるので、自分の便に会えずに行ってしまわれたときには、少し寂しい気持ちになることがありますが、その場合は、快く送りだしてあげてください。

 

 病気になっていない状態でも身体は波のように、好・不調の間を行ったり来たりしているので、その不調に行きやすいときに排便に異常が生じ始めることが多いです。

 

 健康であれば、食べたものはしっかりと消化吸収が行われ、便を形成していくことが出来るので、便の問題は食べた物か体調を判断するためのものと言えますね。食べた物がよくなければ、便の異常が生じてしまうので、例えば、冷たい物を食べ過ぎて下痢をしたというのは便が通常の形をしていないので、飲食の問題によって便を形成することができなかったとも言えますね。

 

 こういった状態はいろいろな方に起こりやすいので、臨床の中で会いやすいのは、油ものを食べると下痢してしまう、食べ過ぎると下痢をしてしまうという方ではないでしょうか。私は、こういったことでは生じることがあまりないので分からないのですが、ひどい人だと油が入っている肉を食べるとすぐにお腹を下してしまうという人もいますね。

 

 こういった場合は、食事の問題もあるのですが、極めて正常範囲の食事であれば、その方はお腹の状態が弱いと考えることが出来るので、飲食の問題だけではなく、お腹の調子を整えていくことが大切だということが分かります。

 

 私はそれほど、お腹の不調が出ることはないのですが、自分の身体で実験をしていろいろな治療を行っていたら、気づいたら、お腹を壊すことや腹痛を生じることがなくなったので、治療を継続することによって、お腹の調子が整っていくことが多いですね。

 

 患者さんでも便の調子が悪くなりやすかったのが、治療を継続していくことによって排便異常が発生をしなくなったというのは、よく言われる話なので、便の状態を確認しておくといいですよ。ただ、最初に書いたように、自分の便をしっかりと見ているという人は少ないので、なかなか理解がされないことも多いですね。

 

 排便の異常がもともとある人に取っては、毎回のように感じることなので、敏感になっているので教えてくれることが多いですが、そうではない方は、やはり意識するのは難しいですね。

 

 便の形がしっかりと形成を出来ていない状態のことを軟便や未消化便と言いますが、これは便を形成する力がなかったのか、または便が形成する前に出されてしまったと考えていくことができます。

 

 便の形成する力ということでは、脾胃などの胃腸に関する生理機能が低下をしてしまっているとしっかりとした便にはならないことが多いですし、湿邪は脾胃の働きを低下させやすいので、湿邪によって脾胃の働きが低下させられてしまったときにも発生をします。

 

 排泄に関しては、五官で二陰(前陰が小便口、外生殖器、後陰が大便口)は腎と関係をしているので、排泄の異常は腎が関係していることがあります。腎は生命とも大きく関係をしていくので、産まれたてや亡くなる直前は排泄のコントロールができなくなってしまうのというのと関係をしていきます。

 

 奇麗なお通じを作っていくためには、脾胃と腎が重要だということになりますね。後は、便の乾燥状態を見るということなのですが、どこのトイレも水が張っている状態になっているので、乾燥状態を見ようとしても、水の中。

 

 それでも分るというのはあるとは思いますが、患者さんに取っては、細かい状態を観察しようとしても分からないと思うので、乾燥を見るというのは難しいですね。乾燥に近いものだと、便の硬さがあるので、硬さに関しては、ウサギの便のようにコロコロとした状態で排泄される場合は、兎糞便と言われるので、これだったら分ることが多いと思います。

 

 兎糞状態の便は血虚の代表的な症状の一つと言われるので、コロコロした状態の便の時は、血を補う治療を加える必要が出てきます。この場合は、血の生成は脾が関係をしていることが多く、肝血が重要になるので、肝か脾で治療をしていくことができますね。

 

 ちなみに肝は、排泄の調節にも関与をしているので、ストレスで便秘や下痢が生じている場合は、肝の問題だと考えていくことができます。肝の問題が発生すると、木克土という状態になってしまうので、脾胃の働きに障害が発生をしてしまって、排泄の異常が生じていきます。

 

 自分の便を見るのが一番の勉強になりますが、患者さんの便の状態を確認していくことでも身体の状態を判断していくことができます。正常な便は色つやがあり、大きめのバナナ1本分とも言われているので、結構な量が出ることが多いですね。

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