鍼灸学校に入学したばかりだと鍼をしようとしても、痛みが出やすいので、いきなり人体にはできないので、いろいろな練習の仕方がありますが、トイレットペーパーに鍼を刺入するという方法があります。
トイレットペーパーに鍼を刺入してどうなるのかというところでもあるのですが、人の身体に鍼をして失敗しました、鍼が折れてしまいましたというのでは困るので、いろいろな道具を使って、鍼を扱う基礎練習の一つですね。
料理人がフライパンの練習をしたいからと言って、実際の食材を使って行ってしまうと、食べられない物が多く出てしまい、無駄にしてしまうことが多いので、コメや塩で練習をすることがあるそうですね。コメだと飛び散ってしまって食べられなくなってしまうので、安価な塩が使われているのだと思います。
理容師・美容師もいきなり人の髪で練習をするのではなく、人形やカツラを使って練習しているので、模擬練習としては、鍼灸も何かを使った方がいいので、ぬか枕という方法もあるのですが、ぬか枕を作るのは大変だということでトイレットペーパーにした人がいたのだなと思います。
ぬか枕も使ってみたことがありますが、鍼は入りやすいと思いますね。それよりはトイレットペーパーの方が入りにくさがあるので、鍼を曲げないように操作をするという点ではトイレットペーパーの方がいいのですが、ステンレス鍼だと簡単に入ってしまいますね。
だから学校教育では銀鍼を使っているのでしょうね。銀鍼は、ステンレス鍼と比べると軟らかくて刺入しにくいという特徴があるので、鍼の上達する練習として非常にいいと思いますね。
実際に銀鍼で刺入をしていってみると、旋撚が上手くいかないと、トイレットペーパーを切っていくことができないので、かなり時間がかかりますね。最初の頃にやるようだと、どうやったら入るのかコツが知りたいと思うのでしょうが、地道な練習をして、手が動くようにしていくしかないので、どうしても時間がかかるのは仕方がないと思います。
小さい頃であれば、箸を使ってみたいから失敗しても何度も挑戦をして、長い時間をかけて扱えるようになっていきますが、鍼の練習も同じように時間がかかってしまうのは仕方がないことだと思いますね。
小さい頃やどこかで鍼を扱った経験があるのであれば簡単でしょうが、そんな状況はないでしょうから、ほぼ全員が学校に入ってから鍼を扱うことになるので、出来るようになるまではある程度の時間は覚悟をする必要があると思います。
扱ってみたことがない物を扱えるようになるということは、例えば、利き手ではない手で箸を使って食事するようなものなので、最初は食べられなくてイライラするでしょうが、やっていくことで出来るようになるので、鍼も同様に練習時間はどうしても必要だと思います。
手の訓練だと思って、利き手ではない方で箸を扱う練習もしてみましたが、非常に時間がかかりましたね。お腹が空いているし、早く食べたいのに、食べられないというのは、本当にストレスを感じる状況なのですが、小さい時は興味のまま行っていたから気にならなかったのでしょうね。
刺すという視点だけで考えた場合は、トイレットペーパーに刺入するよりは人に刺入する方が断然、簡単ですね。簡単過ぎるので、知識と技術がないと、危険を冒してしまうので、やはり、最初の段階では人の身体で練習するのは無理なので、代替品が必要になりますね。
刺鍼の練習をするようなものを使っている学校があるみたいで、試しに使ってみたことがあるのですが、あれは刺入するだけなら簡単だと感じました。ただ、学校によってはどこまで刺入したかを判断するという方法もあるみたいですが、詳細は分からないです。
私自身がやってみた感想としては、最初のスタートとしては、人体での練習は難しいので、代替品としてはいいのではないかと思います。身体に刺入をするようになると、押す圧などに関しては考えなくもなってしまうので、卒業してからの基礎練習としても面白いのではないかと感じましたね。
治療をするようになって人に鍼をするのが当たり前になると、刺す方に集中するのではなく、手と鍼の動きに集中して練習することはないのですしね。いろいろな学校の卒業生に会うと、学校毎の練習も違うので、基礎練習を行おうというときに楽しめますよ。
ただ、やっている学生からしたら課題にもなっているでしょうから楽しいというよりは苦しいでしょうね。こればっかりは頑張って下さいとしか言えないですね。