体表解剖の指標となるポイントは様々なポイントがありますが、烏口突起は上腕・肩とも関係をするので、指標として触診出来ることが大切なのですが、最初はなかなか分かりにくいところですね。
ツボを探すときにも、烏口突起を触れられないといけないですし、胸膈と区別を付けて触れないと危険なところになるので、身につけておいた方がいいですし、3Dのアプリで確認をしながら触れていくと身に付きやすいです。
烏口突起を触れるために重要な指標になるのが、鎖骨になるので、烏口突起を触るときには、必ず鎖骨から探していく必要があります。鎖骨は、どんな人でも見えて触れるポイントになるので、鎖骨から丁寧に探していきます。
仰向けの状態で鎖骨を触れますが、前傾姿勢のままになっている場合は鎖骨の前縁が探しにくいので、まずは、鎖骨の上方を触れていくことが大切になるので、鎖骨の上方を最初に探します。
鎖骨の上方を探したら、多くの方の鎖骨は2cm程度の幅があるので、鎖骨の下端を探していきます。触れても分かりにくい場合は、鎖骨だと思われるところで少し上側に押すと、骨の硬さがあるかどうかが分かるので、硬さによって鎖骨の下縁かどうかを判断します。
通常は、鎖骨下縁を上方に押すと痛みを感じる人が多いので、圧痛として理解出来ると思います。こうやって鎖骨の下縁を触れることが出来たら、今度は、鎖骨の下縁を外方に触れていきます。
鎖骨は、カーブがあるので、カーブに沿って触れていくのが大切なので、骨模型や解剖の絵をよく見ておいて、カーブをイメージしておくことが大切です。鎖骨のカーブで一番凹んでいる部位に行くと、今度は前方に出てきているように感じるので、前方に完全に出た部分が肩峰で、その下部に大結節・小結節が触れることが多いです。
烏口突起がどこにあるのかと言えば、鎖骨で一番凹んだから2~5㎝程度のところで硬い物に触れられると思いますが、そこが烏口突起のことが多いです。
烏口突起を見つけたからと言って、すぐに確定してしまうのは間違いの可能性があるので危険です。烏口突起ではないかというのが見つかったら、反対の手を背部の肩甲骨に入れ、前方に引きだしてくると烏口突起も前方に出てくるので、出てくれば肋骨ではないというのが分かります。
これで決定するのもまだ早いです。烏口突起らしいものを見つけたて、肩甲骨の運動に連動しているのが分かったら、今度は上腕骨との違いと烏口突起の正面をしっかりと確認をしないといけないので、烏口突起らしいものからさらに外方の確認をします。
多くの方の場合は体表を見たときに、烏口突起の部分は陥凹していて、上腕骨の部分が前方に出ていることが多いので、烏口突起だと思った物が、上腕骨より後方にあるのを確認します。
最初に触れた部分は烏口突起の内側に触れていくことが多いので、上腕骨を触れていくことで、烏口突起の外縁を触れることが出来るので、これでようやく烏口突起の内縁と外縁を決定していくことができます。
内縁と外縁を見つけることが出来れば、烏口突起を発見したことは確定になるので、安心できるのですが、さらに上下を決定していくことで、確実にすることができます。
烏口突起は、上腕二頭筋短頭、烏口腕筋、小胸筋が付着をしているところになるので、下方は筋肉が関係をしやすいので触りにくいと思います。上方は比較的触りやすいので、情報を決定して、三方向を確実にしていくと予測を立てやすいと思います。
烏口突起自体の大きさは人によっても違いがあるので何とも言えないところですが、感覚的には2cm程度だと思っておくと、ずれにくいのではないかと思います。
大きさのイメージで横幅は1~2cm程度、縦幅は2~3程度だと考えておくと、内縁・外縁・上方が分かったときには、正確な場所の把握に役立つのではないかと思います。
体表を触れて行くときには、定規で測る訳にはいかないので、自分の指幅、PIPからDIPの幅を計測しておくと、体表を触れていくときには一つの指標になるのではないかと思います。
烏口突起は外方から触れようとすると上腕骨の骨頭があるので、触れにくいので、内縁から触れていく方がいいですね。烏口突起を内縁から触れて、外方に動かしたり、後方に押し込んだりするのは、肩甲骨に動きをつけることにもなります。
肩甲骨を動かすと、鎖骨、上腕骨にも影響を与えていくので、肩周りの硬結が取れない場合には、烏口突起から治療を考えていくのも一つの方法だと思います。体表を確認するのは肩峰と肩甲骨は大切になりますが、肩峰と肩甲骨の触れ方については過去のブログに書いていますので参考にして見て下さい。