少商

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 手太陰肺経の井穴の少商は風邪、喉の痛みに対しても使うことが出来るので、治療として使っている人も多いとは思います。

 少商という名前の意味としては、少は小さい、幼いと言う意味があり、商は五音で金に該当するので、少商と名前を付けたとされています。商は五音と関係をするというのは分かるのですが、何故、少ないという意味が入るのでしょうかね。

 

 井穴ということで、脈が始まるところだから気が少ない、末端だから気の流れが少ないという意味なのでしょうかね。商は肺経全体に付けることができるのでしょうが、肺経の末端ということで、商という漢字を付けた可能性がありますね。

 

 少商は井穴になるので、井穴に鍼を使うことはあまりないと思いますが、お灸と刺絡では使いやすいところになります。

 

 鍼で使う場合は深く刺入をすることができないので、切皮程度で用いることは可能になります。ただ、井穴は感覚も敏感なところになるので、鍼を刺入することは少ないのではないかと思っていますし、私は湧泉を除いて井穴に鍼を使うことはほとんどないですね。

 

 指先の井穴に鍼をすると、切皮痛が生じることも多いですし、切皮が終わった後には、ツーンとするような痛みに近い響きが生じることが多いです。末端部だからなのか、置鍼している間は、ズンズンやズキンズキンという痛みに近い響きが生じることが多いのではないかと思います。私自身は、ズンズンと感じることが多いかなという印象ですが、感覚は人によって違うので、正しい訳ではありません。

 

 少商を使うときは、風邪を引いて発熱をしているときや、喉の痛みが生じているときに使うことが出来るので、使用頻度が高いところになると思います。私は、表裏経の井穴である商陽と少商を比較して、どちらかを使うということが多いです。

 

 井穴では反応をみて治療に使うことが多いのですが、爪で井穴を圧迫して痛みが一番強いところを使用することが多いので、左は商陽、右は少商になってしまうこともありますが、表裏経という繋がりもあるので、左右の違いについてはあまり考えないですね。

 

 お灸と刺絡の使い分けに関しては、それほど厳密に考えている訳ではないのですが、熱や喉に対しては刺絡、経絡走行上の病証に対してはお灸という程度の使い分けをしているかなという印象です。あくまで個人の印象なので、人によってはしっかりと分けて使っている人もいると思います。

 

 井穴は火傷をしにくいところでもありますが、熱いお灸をすれば火傷は出来るので、火傷に注意をするのは、他の経穴と同じですが、指先は回復も早いので火傷の痕はすぐに消えることが多いですね。

 

 お灸をすると、その部分が温まるだけではなく、経絡走行に沿って温まるような感じがあるので、冷えを同時に持っている人には効果的ではないかと思っています。

 

 肺は、皮毛と関係をすることから、身体の外側との関係が密接になるで、外邪による病、皮膚疾患に対しても効果を発揮することが多いですね。指先に力が入らないという人にも少商は効果的なのですが、全部の指の場合には、何本かを使っていく方が効果は高いと思います。こういった場合だと手間の問題もあるので、母指・中指・小指で行うことが多いですね。

 

 肺経の流注は中焦から始まっているので、消化器疾患に対しても肺経は使っていくことが出来るのですが、外邪から始まった消化器疾患、食べ過ぎによる消化器疾患には効果が高いのではないかと思っています。

 

 お腹が弱いというような状態では、脾・腎・肝を使っていった方が効果は高いというのが私のイメージですね。

 

 どのツボも経絡、臓腑の働きを考えると、いろいろなことに使えるのですが、その中でも自分なりの使い方というのが出てくるとツボに対してのイメージが出来るだけではなく、治療で役立つことが多いと思いますよ。

 

 こういった点で考えると、少商は熱・喉に対して使うという話しを聞くことが多いので、覚えておくと、治療に役立つと思いますね。

 

 その他の使い方というのも出てくるのでしょうが、自分の経験が増えるか知識が増えるかのどちらかがないと、新しい使い方というのは増えていかないことが多いです。

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