鍼灸治療の難しさ

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 鍼灸師の資格を取得したら、鍼灸の仕事をしたいと思うのは当然ですが、実際に仕事にしようとすると難しいと感じる人も多いのではないかと思います。

 難しいと感じる理由は自由だからになると思います。鍼灸だと、検査の数値から使うツボや道具、深さが決まる訳ではないので、自分の五感を駆使して、患者さんから情報を引き出し整理し、自分で考えた治療を行わないといけないものになります。

 

 誰かに強制されるのは嫌だという思いを持つことがあるかもしれませんが、実際には完全に自由だと、どうしていいのか分からないので、本当は強制されている方が楽なのですよね。

 

 自由は楽しいし、楽だと考えるかもしれませんが、自由を謳歌するためには、それだけの責任を果たさなければいけないので、かなりの大変さもあります。鍼灸治療では相手があることなので、治療の結果が責任と言えますね。

 

 自由には責任が伴うということは、治療が自由ということは結果が求められるので、成果を出さなければいけないと考えることが多いでしょうが、実際の現場では人間関係で成り立っているので、結果だけが全てではないことも多いです。

 

 私も資格を取得してすぐは今よりも確実に知識と技術が低い状態でしたが、話しや対応など、治療以外の面で患者さんが来て頂いていたのだと思いますし、資格を取得してすぐの頃は接遇面や気持ちが大切になるのではないかと思います。

 

 気持ちというと精神論になってしまうでしょうが、頑張って治療を考えて、精一杯対応をするのは、経験がある人でも同じなので、そういった面は資格を取得してすぐから発揮をしていくことが、将来にも繋がりますし、技術と知識の弱さを補う物でもあるので、非常に大切な部分になってきます。

 

 誰だって、精一杯やってもらいたいと思っていますし、精一杯やってくれる人が側にいたら、それだけで頼もしいし応援したいという気持ちになりますよね。

 

 東洋医学の考えで治療をしようとしても、患者さんの方が現代医学的な考えになっているので、症状と関係のない場所を触ろうとすると不快感を示すこともあるので、何故、治療で必要なのかを説明して、納得してもらってから治療に入らないといけないことも度々あるので、そういったところも鍼灸治療を行う難しさになるのでしょうね。

 

 こういった大変さを乗り越えながら、長く治療院を開業されている方は、患者さんからの信頼も厚いでしょうし、本当に凄いなと思います。自分が経験を積めば積むほど、患者さんが増えていくところは本当に努力をしているのだろうなと思うことが多いですね。

 

 鍼灸の治療ではこういったところをクリアーしても、使うツボは自分で考えて、探さないといけないですし、道具は何を使うのかを決定していかないといけないので、治療の流れのイメージがないとやりにくいですね。

 

 例えば、鍼は結構使うなと思っていたとしても、深く刺入するのであれば、太くて長い鍼にしないといけないですし、顔面部への刺鍼にするのであれば、細くて短い鍼にしないといけないので、その時の状況によって変化をしていくことがあります。

 

 さらに患者さんも話しをするのを忘れていたことを治療中に話してきたり、会話をしている中で気づいたりすることもあるので、どういった状況で何を使うのかというのは、その時になってみないと分からないことも多くあると思います。

 

 お灸で透熱灸を使うのであれば、指先が灰で汚れてしまうことも多いですから、お灸を途中で入れると、手を奇麗にする作業が必要なので、その時々で考えながらやっていくことが必要になりますね。

 

 治療全体を流れ作業の状態にして、必要があればツボや鍼、お灸を足したり、引いたりするという方法もあるのですが、これも自分の流れはどうするのかを考える必要があるので、本当に自由とも言えるのですが、自由こその大変さが出てきますね。

 

 私自身はもの覚えが悪いし、忘れやすいので、手順にしても抜けてしまうことがあるので、その場その場で考えながら治療をしていく方が合っていると思っています。

 

 こういった自分なりのスタンスを決めるのが鍼灸治療の難しさの一つでもありますが、自由だから楽しいという部分でもあるので、楽しみながら治療が出来るようになっていくといいですね。

 

 症状が改善をしないと、どうしていいのか分からなくて苦しいときがありますが、止まない雨はないので、続けていれば解決を出来ると日々、信じています。

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