鍼治療後の運動は注意が必要です

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 治療後のことで患者さんから質問として多いのが、「鍼治療後に運動をしていいか?」という質問ですが、運動をしていいのでしょうか?

1.鍼治療後の身体

 鍼灸治療の後は、身体の気血の流れをよくすることで、悪い場所の気血の流れをよくし、身体を正常化させていくことなので、治療後は血行がよくなっている状態になります。血行は、血が行る(けつがめぐる)という意味なので、東洋医学の用語が現在でも利用されています。

 

 東洋医学では「血」は「赤い色の液体」なので、現代医学のように「血液」という表現は使っていないです。

 

 日常的に運動を行っていない人に取っては治療によって血行がよくなっているので、治療後に身体のだるさが出る人もいますね。

 

 血行がよくなるということは、心臓の働きが活発になることにもなるので、鍼灸治療を受けた後は、心臓にも少し負担がかかっていると考えることができます。負担がかかると言っても、激しい運動に比べれば大したことがないので、ちょっと歩いた状態とも言えるでしょうね。

 

2.鍼灸治療後の運動

 鍼灸治療の後は、身体を回復させるように、血行がよくなっていますが、運動をすると、運動に使う筋肉に栄養が沢山いかないといけないですし、運動後も運動した場所の疲労除去し、栄養を与えないといけなくなってしまうので、せっかくよくしようとした場所の血流が悪くなると考えられるので、治療後の運動は避けた方がいいです。

 

 普段から運動をしているような選手であれば、もともとの血流もいいので、治療後に運動をしても身体にかかる負担は少ないでしょうが、回復を主に考えていく場合は、やはり治療後は大人しくしているのがいいですね。

 

 運動する身体になっている場合は、しばらく休息すると回復もしやすいでしょうから、治療後数時間は大人しくして、徐々に運動をしていくのがいいですね。

 

 趣味程度の運動をしているような方であれば、鍼灸治療後の運動は避けて下さいと伝えることが多いですね。

 

 運動をするときは、治療によって身体の緩みと動きが変化していることが多いので、いきなり負荷をかけるのではなく、徐々に負荷を挙げていく方がいいです。選手だとウォーミングアップもしっかりしますが、趣味程度だと、いきなり運動に入ることが多いので、その点も考慮すると、普段の運動量によって、説明を分けることも必要ですね。

 

 車やバイクでも購入したときは、エンジンが耐えられるように慣らし運転が必要なように、人の身体も何かの変化を加えたときには慣らしを行うことが大切です。新しい靴を買ったら、気を付けて歩いたり、運動したりするようにしないといけないのですが、身体になると注意が抜けがちなので治療の中で説明して、理解してもらうことが大切だと思います。

 

 スポーツ選手であれば、自分の身体感覚に対して敏感なので、変化を感じながら運動強度をあげることができるでしょうが、一般の人はスポーツ選手に比べれば身体感覚が鈍感なので、少しずつ運動強度をあげようとしても難しいでしょうし、趣味程度の運動だと、ウォーミングアップにかける時間が短すぎるので、どのような運動なのかも尋ねておく方がいいですね。

 

 治療後は普段よりも動きの改善が出ていることが多いので、普段よりも動きやすいと感じる人も多いでしょうが、普段の動作以上の負荷が身体にかかってしまうので、使えていなかった場所に負荷がかかってしまうことがあるので、怪我に繋がってしまうことがあります。

 

 例えば、普段よりも下肢が緩んでいて動きやすい状態になっていたとしたら、今まで使えていなかった筋肉にも強い負荷がかかってしまうことがあるので、肉離れを発生させてしまう可能性があります。

 

3.まとめ

 鍼灸治療後の運動は、身体を回復させるために力を使わないといけないので、通常は運動を避けるように伝えていきますが、スポーツ選手のように運動をしている方であれば、段階的に強度をあげながら、身体の状態を確認していってもらうようにしています。

 

 スポーツの前に治療を行う場合は、治療で負担がかからないように、痛みの除去や動きの改善だけを行っておき、運動後に本格的に治療することが多いですね。

 

 運動をする前には身体を十分に温めていくことが必要なので、本来は数十分から1時間程度は、ウォーミングアップが必要なのですが、趣味程度の運動だと数分から10分程度のことが多いのではないかと思います。もちろん、体力も少ないので、ウォーミングアップを長くすると、体力がなくなってしまうという場合もあるでしょうが、本来のパフォーマンスを発揮して、怪我を減らすためには十分なウォーミングアップが大切です。

 

 治療を継続していくと、身体の切れが出て調子がよくなっていくことが多いので、運動をより楽しめるようになったと言われることもあるので、パフォーマンスの向上に鍼灸を取り入れるのもいいですね。

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