鍼はいろいろな材質で作られていて、ステンレス、銀、金がありますが、ほとんどの鍼はステンレスですよね。
学校だと銀鍼を使うところもあるようなので、銀鍼を使ったことがあるし、卒業してからも銀鍼を使っているという人もいるでしょうけど、金鍼は使ったことがある人は少ないのではないでしょうか。
確か、学校の授業で、金鍼は銀鍼よりも柔らかく、生体になじみやすいのでいいと習ったのですが、本当にそうなのかがずっと疑問でした。ちょっと使ってみたいなと思うときもあったのですが、金鍼は1本でステンレス鍼100本分の値段なので、買うのに躊躇をしますよね。
もし買ったとしても、使い捨てにするのはもったいないので、滅菌消毒をしないといけないですし、鍼先が傷んでしまったら砥ぎなおしも考えないといけないので、遊びで買ってみようという気にはなかなかなれないですよね。
私も買ったら取扱いをどうしようかという悩みと使うときに曲げてしまったらおしまいなので、躊躇をしていたのですが、思い切って買って使ってみたことがあります。患者さんに使うと滅菌などを考えないといけないので、自分に対してと、仲間うちで使ったぐらいですね。
鍉鍼であれば、それなりの値段がする物でも壊れる物ではないので、気軽に使うことができるのですが、金鍼は曲げてしまうことはできないので使う時には非常に緊張しました。そう考えると、ステンレスを使っているときには、そこまで細心の注意を払っていなかったのだなと反省しましたね。
使ってみた感触としては、銀鍼よりも少し柔らかいぐらいかなというぐらいで、刺入に関してはステンレスよりは入りにくいけど、銀鍼よりは入りやすいかなという感触でした。
鍉鍼でも銀、金で治療効果に違いがあるという話があるので、ステンレス、銀、金の材質の違いで鍼灸治療の効果が違うということもあるのでしょうけど、治療としては使ったことがないので、どこまで違いがあっていいのかというのは分かりません。
通常、ステンレス鍼で治療をしている人に対して、全て金鍼に変えて治療をしてみるといいのでしょうけど、そうなると、コストが上がってしまうので、治療費をあげるか、その患者さん専用で金鍼を購入してもらわないと割に合わなくなってしまうので、試そうと言う気持ちにはなっていないですね。
一度はやろうと思っているのですけど、そのためには、金鍼を何本か用意しないといけないので、単純に10本近く用意するだけで1万円になりますからね。1万円なら銀の鍉鍼が買えてしまうので、だったら鍉鍼を買おうかなと思ってしまいますね。
鍉鍼は何本か持っているのですが、重さや形状によって自分の中で使いやすい物、使いにくい物が出てきたので、変えようかなという思いがあるのですよね。
金鍼は実際の治療で使おうとするとコストが非常にかかってしまうでしょうが、数本を購入して感触はどんな物なのかを知っておくのも大切だと思いますよ。特に卒業して数年経つと、鍼をよく使っていれば、刺入が上手くなっているでしょうけど、雑なところや癖が出てくるので、緊張感を持って鍼を扱うことが減ってきているので、そういう状況のときに、金鍼を使ってみることで、初めて鍼を扱ったときのような、緊張を思い出して、鍼の扱い方を反省してみるといいのではないでしょうか。
金鍼は鍼管が付いてくるわけではないので、片手挿管をして刺入するか、撚鍼法で刺入をするかに分かれてしまいますが、片手挿管でいきなり鍼を曲げてしまったら、凹むでしょうね。
鍼を使う頻度が上がれば、どうしても一度毎の鍼への集中力が低下をしやすくなるので、触れる・刺入するという点に集中するためには本当にいいですよ。金鍼を何度か使用してみることで、他の鍼との違いを確認することが出来るのでお勧めです。
ただ、学生や初心者の方は、刺したという経験が少ないので、分かりにくいところもあるかもしれないので、少し経験を積んでからにしておく方をお勧めします。