鍼灸や手技で身体を触れていると、筋張った索状の硬結があることがありますが、分かりますか?
索状硬結は細い糸状態のようになった硬結で、ギターの弦程度の太さの物からペン程度の太さの物があり、身体のいたるところにあるので、身体を触りまくっていたら、必ず発見できるものです。
ただし、乳幼児などでは見られないことが多いので、基本は症状がある人や社会人には、ほぼあると思います。索状硬結は筋肉と関係をしやすいので、運動器疾患がある人には大体ありますね。
索状硬結の中に特に硬い部分がトリガーポイントと関係をしやすいとも考えられているので、トリガーポイントを使う方に取っては、索状硬結を探せて触れる力は非常に大切だと言えますね。
索状硬結は身体のどこにでもあるのですが、慣れるまでは見つけるのに時間がかかると思います。関節部や疲労が貯まりやすい所にあるので、肩・腰に索状で存在することが多いですね。
脊柱の脇にもよくあるのですけど、細かい索状硬結がたくさんあることもあるので、手で触れたときに、バチバチとはじいてしまうことが多いですね。索状硬結は治療を続けていくと軽減していくことが多いですが、1回で全部がなくなるということがないので、索状硬結を指標として治療をしたのであれば、どの部位にどれぐらいの太さの索状硬結があったのか覚えておくことが大切になります。
索状硬結を触れていくために必要な知識は筋肉の走行と位置が必要になります。筋肉の走行に沿って存在することが多いので、筋肉を触れることができれば索状硬結が分かるようになっていきます。
索状硬結は押したときなどに弾いてしまうことで、存在していることに気付くことが多いのではないかと思います。慣れてくれば、どの辺りに索状硬結がありそうだというのが分かりますし、弾かなくても索状硬結があると判断をできるのですが、慣れるまでは一回弾いてみて、大きさや太さを理解していくしかないのかなと思います。
索状硬結は症状が辛い人が持っていることが多いので、腰痛があるようであれば、棘突起付近、腰部の深部、腸骨稜付近、仙骨上にあることが多いですし、肩コリが酷い人だと、僧帽筋上部、鎖骨下、後頚部、肩甲骨付近、棘突起両側などにあることが多いので、慣れてくるとこの辺りだと正確に触れていきますね。
症状が辛いところにあるので、患者さんとしても触れて欲しいところになるので、触れると痛気持ちいと感じることが多いのですが、人によっては刺激が強すぎて痛いと言う人もいますね。
索状硬結に刺激をすると、感じ方が強いし、触れた後はすっきりと感じたり、やってもらった感が強かったりするので、治療としては使いやすいのですが、刺激の量には注意をした方がいいと思います。
仲間と索状硬結を触る練習を棘突起の両側で行っていたことがあるのですが、棘突起両側の索状硬結は肋間神経に刺激が入りやすいからか、前の方に響きを感じることも多く、刺激を受けるとすっきりするので、長い時間、押したり、弾いたり、鍼を刺してみたりしていたのですが、その後は気持ちが悪くなり、数日、棘突起の両側が揉み返しの状態になって酷い思いをしたことがあります。
索状硬結は治療効果が高いので治療には取り入れていますが、刺激量は自分の体験からも、注意をするようにしていて、ここぞというときに狙うようにしています。
手技で触れる場合は、弾くと刺激量が上がりやすいので、単純に圧迫だけを行うことが多いですね。索状硬結が上下に線のようになっていたら、索状硬結を圧迫したら、少し上下に擦るようにすると、揉み返しが少なく、治療効果が出やすいのでお勧めですが、刺激量が多ければ揉み返しにもなりやすいので、治療回数が進むに連れ、刺激量を増やしていく方がいいと思います。
鍼を索状硬結の付近に刺入をすると、索状硬結の硬さと太さが一瞬で少なくなる感じはありますね。ただ、またすぐに戻ってしまうので、索状硬結を見つけたときには、鍼先が索状硬結に触れる程度にして置鍼をすることが多いですね。
索状硬結は、肋骨付近、棘突起付近、肩甲骨付近にあることが多く、鍼で治療を行う場合は、置鍼も使えば入っていってしまうことがあるので、気胸が起こらないようにしっかりと解剖学の知識を入れておくことが必要だと思います。
索状硬結はトリガーポイントで使われているように、刺入をすると響きが放散することがあり、刺激が強く感じることがあるので、刺激が欲しい人には索状硬結に鍼が少し入る程度まで刺入をすることがあります。
鍼の刺入で索状硬結の手前、索状硬結の中で治療効果はあまり変わらないかと思っているので、治療の中においては相手の求めに応じて刺入する深さは変えることが多いですね。
身体を触りまくると索状硬結もわかるようになるので、学生の方は同級生の身体をたくさん触らせてもらっておくと、そのうち索状硬結を発見できるようになると思いますよ。