火鍼を使った治療

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 鍼はいろいろな道具があり、治療法もたくさんありますが、インパクトが強い治療法としては火鍼があります。

 火鍼は通常では手に入りにくいですが、どこかのパンフレットにあって買った覚えがありますし、中国によくいかれる人が周りにいると、買ってきてもらえることがあるので、手に入れることは可能です。

 

 火鍼はタングステン製の鍼で、鍼体が非常に凝った感じの作りになっているので、一瞬、飾り物の鍼ではないかと思うことがありますね。鍼の太さは普通の鍼とは比べ物にならないぐらい太いですね。

 

 火鍼は鍼体に直接、火を当てて、鍼体が真っ赤な状態になったら刺入をするのですが、紅くなっている状態で刺入までいかないといけないので、手際がとにかく重要になっていきます。

 

 火の扱い、紅くなってから刺入するスピード、狙ったところに鍼を当てる、刺入コントロールが必要なので、安易に使うことができないので、練習が必要な治療方法です。火鍼に関しては、書籍を読んで練習するか、講習会で指導を受けるといいと思いますよ。

『火鍼マニュアル』

 火鍼は気になっていたので、仲間と練習して使ってみたのですが、火鍼の効果って、他の治療では出せないのではないかと思うぐらい改善したこともあります。

 

 火鍼は、太い鍼なので刺入が大変だと感じるかと思うのですが、熱して皮膚に触れるとあっという間に入ってしまいます。1mmぐらい刺入しようとする程度の力で数cm刺入出来てしまうぐらい簡単に刺入できてしまうので、最初はジャガイモなどで練習して、スポスポ入ってしまう感覚を習得してからでないと危険ですよ。

 

 火鍼を受けた後の感覚は「熱い」「痛い」が同時にきて、何とも言えない「どん」という感じでしたね。人によっては「じわー」だったり、「気持ちいい」「温かい」と感じたりするようですね。

 

 強く感じることが多いものですが、本当にひどい辛さがある場合は、強いような刺激がはいると、とてつもなく気持ちいいということがあるので、気持ちいいと感じた場合は、悪いところがあって、そこにぴったりとはまったような感じだと思います。

 

 私は上手くあたらなかったからか、そこまでひどくなかったからなのか分かりませんが、気持ちいいと感じることはなかったですね。ただ、変化は劇的にあるので、効果があるのは分かりました。

 

 最初は火鍼が何に効くのか分からなかったので、仲間内で、一つの症状に対して、鍼・お灸・灸頭鍼と使ってみて効果の違いを確認していたのですが、その一つに火鍼を入れたところ、動きに関しての変化が凄いなという実感があります。

 

 消化器疾患などの臓腑の疾患にも効果があるのでしょうけど、仲間内にそういった症状の人がいなかったので、運動器疾患だけが確認できたのですけど、その変化の大きさにびっくりしました。

 

 火鍼は効果が凄いのですが、刺入した後がぷっくりとして完全に消えるまで時間がかかるし、強く感じる場合があるので、もう少し刺激が少なくできないかなと思ったら、火鍉鍼と言って、火鍼と同じ使い方だけど、入らない物があり、表面だけを刺激できるので、それでもかなりの効果がありました。

 

 指の動きなども改善しやすく、火鍉鍼を行った後、かなり長い間、手がすっきりした感じが出たので、手指の運動障害がある人には非常に効果的なのではないかと思ったのですが、見た目のインパクトは大きいので使うのは躊躇してしまいますね。

 

 動きには火鍼という熱が加わったものが効果的だというのが分かったので、それからは、動きにくいという運動器疾患は、熱刺激としてお灸がいいのではないかと思い、よく使うようになりました。

 

 火鍼の効果とは違いますが、熱刺激を加えると緩むのは同じですね。そう考えると、関節の痛みにはお灸が効果的だと言いますが、火鍼も効果としては良さそうだなと思いましたね。

 

 実際の治療の中で火鍼を使うことはほとんどないのですが、火鍼の効果や効能、技術としての火鍼を知ったので、他の治療をしているときに、火鍼だったらどれぐらい変わるのか、他の治療だとどれぐらい変わるのかを考えるようになりました。

 

 火鍼は扱いには注意が必要なので、しっかり練習をしてから使うようにしないといけないですね。

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