患者さんに泣かれたことはありますか?

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 患者さんとは長い時間一緒にいていろいろな話しをすることがありますし、長い関係になると、家族よりも話していることがあるので、関係性が深くなりますよね。

 私は何名かの患者さんで泣かれてしまったことがあります。一人は毎週治療をしている人で、仕事の話しからプライベートの話しをしていましたし、食事を一緒にしたこともある女性でした。

 

 毎週のように話しをしていて、彼氏の愚痴を聞くこともあったのですが、とにかく恋愛の話しが多く、彼氏といて楽しいと言うことばかり話していました。彼氏との話は、こちらが呆れるぐらい聞かされていましたし、結婚を考えているということで報告を毎週聞いていましたね。

 

 そんなある日ですが、いつものごとく、先週はどこで遊んできたのですかという質問をしたら、いきなり号泣です。

 

 ???という感じですよね。何が何だかさっぱり分からない状況でしたが、次の予約も入っていなかったので、とりあえず、泣き止むまでは何も言わずにそのままの状況でいました。他の患者さんも居なくてよかったですよ。

 

 10分ぐらいですかね。泣き続けたのは。落ち着いたところで、「すみませんでした。実は別れました。」と言われたのですが、「はあ????」という気持ちでしたが、何も言わなかったです。「え?」とは言いましたけど。

 

 先週まで、彼氏と楽しいという話しをしていたし、結婚がどうのという話しをしていたのに、逆転ですよ。そりゃあ、こちらの方がびっくりで、その後は、相談というか、聞き役になりました。

 

 要約すると、微妙だと思っていて、結婚はないかもと思っていて、ついに別れたということでしたが、こっちは結婚に向かうと言う話しで聞いていたので、途中からこちらに話していることは本心とは逆になっていたようです。

 

 そうやって、周りに話すのと、自分の気持ちの解離が大きくなってきてしまってどうしようもなかったのでしょうね。

 

 しかし、びっくりでしたね。治療中では、治療に必要な身体や気持ちの情報を尋ねることはあっても、プライベートは必要がなければ突っ込むことがないのですけど、相手が話しをしていたのを聞いていただけなのですけどね。

 

 治療で必要なプライベートの情報というのは、例えば、身体の状態はかなりよくなるはずだったのに、悪化をしていて、生活にも変化がなかったときに、精神的な負担があったのではないかと思って、家族や恋人との状況確認をすることがあります。

 

 非常にプライベートなことなので、どこまで踏み込むかというのは、患者さんとのそれまでの関係性が重要になってくるので、恐る恐る尋ねていくことが多いですね。

 

 例えば、「ある患者さんが夫婦喧嘩をして、イライラしているという話しがあったのですが、そういえば、○○さんって夫婦喧嘩はされますか?」と尋ねます。ある患者さんというのは実在もしない人です。

 

 相手によっては、大まかな状況になってしまうので、いろいろな患者さんから今まで聞いた情報を統合して、ディティールを作ることがあります。

 

「ある患者さんが、夫婦喧嘩をしたそうなのですけど、調子が悪いと言っているのに、あれもこれもやれと言われて本当に腹が立ったということなのですけど、そういう夫婦喧嘩ってありますか?」

 

または、

 

「ある患者さんが、夫婦喧嘩をしたそうなのですけど、調子が悪いと言っているのに、あれもこれもやれと言われて本当に腹が立ったということなのですけど、そういう時ってどうやって対応したらいいと思いますか?後学のために知りたいのですけど。」

 

というように、生活のディティールを入れることで、漠然としたところから、自分の生活の細かいところを振り返れるようになるので、完全には同じ話しではないですが、生活感を出した質問から、生活の状態を確認していくようにしています。

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