鍼灸だと現代医学で対応できないと言われた方の相談と治療をすることも多いのですが、神経損傷も相談がくる物の一つですね。
神経損傷は、脊髄損傷、原因不明による神経障害、手術後の神経損傷などでお問合せを頂くのですが、神経が損傷している場合は回復をあまり期待できないとお伝えすることは多いです。
もちろん、よくなったというような奇跡的な話しを聞くこともありますが、いろいろな方に聞いてみても、神経損傷は難しいし、改善できると強く訴える人が少ないので、相談されたときでも期待はしないようにとお伝えすることが多いですね。
拘縮であれば、改善をして緩んでいくことがありますが、本当に強い拘縮は、治療直後は緩んでいることがあっても、元に戻ってしまうので、神経損傷に関しては治療というよりも状況を一時的に改善させる程度だとお伝えしています。
もちろん、可能性を考えるのが治療者としての役目でもあるので、そういった方を治療するときには、東洋医学の知識を使って、改善するのではないかと思って治療をしていますが、結果としては損傷が回復することはないですね。
鍼灸治療を行ったことで、お腹の調子がよくなった、今まで辛くて眠れなかったのが眠れるようになった、よくなっていないけど気分がいいと感じるようになったということは治療効果として出ることがあるので、そのこともお伝えするようにしています。
神経損傷を鍼灸治療で改善をするのではないかと期待をされている方にはいつも申し訳ないと思うのですが、治療で何でも完璧に出来る訳ではないので、現実的な話をさせて頂くことになりますね。
期待だけさせて結果が悪いというのは、その方に取ってもまた辛い思いをしてしまうので、何かいい言い方があるのではないかといつも悩んでいますが、改善が難しいとお伝えさせてもらっています。
治療を仕事にしている者に取っては、改善できない、よくならないというのをお伝えするのは、非常に心苦しいものなのですけどね。
もしかしたら、そういった症状に対しても絶対に改善を保証できるときがくるのかもしれませんが、今までの歴史の中で神経損傷は鍼灸で治るという話しが定着をしていないので、東洋医学の治療よりは、現代医学の中で再生医療の方が可能性は高いのではないかと思います。