不妊に対応をするという鍼灸院や漢方薬局は多いですし、最近は、鍼灸院で増えてきているのではないかと思います。
不妊の方は現代医学的に管理をしている人も多いですし、それでもなかなか妊娠につながっていかない方もいるので、東洋医学などの代替医療を利用する人も多いでしょうし、代替医療の効果はどうなのか気になっている人がいるのではないでしょうか。
東洋医学の考え方では、身体には気血が循環をしている状態が正常になりますが、不妊の状態では気血の循環が悪いと考えていきます。現代医学的に異常がなくても、東洋医学で考えていくと、気血の循環が悪いということはあるので、体調を整えることで、妊娠に繋がっていくと考えていきます。
身体の状態を診てツボを選んでいくことが大切なので、基本的には信頼できる鍼灸師と相談をしながら、身体の状態を整えていくことが大切なのですが、自分でも出来ることはあるので、紹介をしていきます。
妊娠にはお灸が効果的だと言われていますが、お灸は手軽に行える物なので、自宅でもやりやすい物だと思います。妊娠に鍼が効果的だと言われても、個人では出来ないので、やはりお灸を使っていくのがやりやすいと思います。お灸は専門家が使うような物ではなく、簡便なタイプがあるので、そちらを使う方がいいのですが、火を使うタイプは熱かったら取るという管理が必要ですし、火傷の恐れもあるので、火を使わないタイプもありますが、どんな商品でも低温火傷は生じる可能性があるので、長時間の使用は注意をした法がいいです。
不妊に限らず、月経異常、婦人科疾患では三陰交が重要だと言われていくのですが、専門家でもツボを取るのに苦労をするので、一般の人では難しいと考える人もいるのではないかと思うので、正確なツボだけではなく、大体の位置もまとめていきますね。
三陰交は、内くるぶしの上3寸と言われていき、すねの骨の後ろ側ぎりぎりと考えてもらうのですが、内くるぶしと膝までの距離を四等分して、一番、内くるぶしに近い場所にするといいですよ。
膝というと、膝の下なのか、膝の横なのか、膝の上辺りなのか悩んでしまう人がいるかもしれないですが、どこから選んでもずれるのは2cm程度になるので、一般家庭で使われるようなお灸の大きさだとカバーできる範囲だと思います。
もしツボの正確さに困るのであれば、三陰交の場所にお灸をすると同時に前後左右に行っていけば、ずれることはないので、十分だと思います。ただし、何カ所も同時に行うとどれが熱いのかが分からなくなってしまい、火傷を生じるリスクがあるので、一つを行ってから次をやっていくようにするといいと思います。初めてやるときは時間がかかるでしょうが、何となく熱さを感じやすいところなどを理解できるようになってきたら、2か所を同時に行ってみるのもいいと思いますよ。
子宮というツボ(奇穴:きけつ)があるのですが、名前の通り、子宮の働きを活発にさせる作用があると言われているので、不妊の治療では欠かせないツボとも言えるのですが、場所がきわどい所にあるので、治療では使いにくいので、家庭で行うのにはいいと思います。
子宮というツボの場所は股間の所に恥骨という骨がありますが、その骨の2~3cm上の高さで、両側5~6cm程度のところにあります。一般的には股関節と表現をする位置よりは内側とイメージをしてもらうといいのですが、お灸をするのが怖いと感じてしまう人もいるかもしれないですね。
子宮の働きを活発にすると考えられるツボは子宮以外にも関元(ヘソ下でヘソと恥骨の中央)が使われていくのですが、基本の考え方は下腹部が重要になってくるので、下腹部を自分で触ってみて冷たいところ、押したら痛みを感じやすいところを中心にお灸をしていくだけでも効果が出てくるので、下腹部が大切だという認識を持つことが重要になっていきます。
不妊に対する健康法で、腹巻が勧められることがあると思いますが、これは、下腹部を温めていくことによって子宮が冷えて機能しなくなることを予防するためになります。
腰部と仙骨の辺りは子宮の活動を活発にするのに効果的と言われる場所なので、その場所にもお灸をするといいのですが、自分でやるのは難しいので、家族にお願いするのがいいと思いますよ。なかなか妊娠できない状態が続いていると、女性だけではなく、男性の方もダメだしをされて辛くなってくるでしょうから、お互いにお灸をして家族としての会話をしていくのもいいと思いますよ。男性の場合も下腹部と腰部・仙骨部をお灸していくと、生殖能力が上がりやすいと考えられます。
ついでに肩こりや腰痛があれば、その場所にもお灸をしていくことで、お互いの身体を労わるようになるでしょうし、身体が楽になると、気持ちも楽になるのでお勧めですね。
踵の付近は生殖器の働きを示すと考えていくので、踵付近のお灸も非常に効果的だと思います。リフレクソロジーという足裏マッサージの反射の考え方でも踵付近は生殖器との関係が密接だとしています。
踵の付近にもツボが沢山あるのですが、三陰交と同じように、少し広い範囲で考えていくと自宅でもやりやすいと思うので、踵の内側・外側の平らなところにお灸をしていくといいと思います。位置としては内くるぶしから下にまっすぐ降ろした線と、内くるぶしから後方に伸ばした線の間にあるところであればいいので、場所をずらしながら何回か行っていくといいと思いますよ。
不妊を訴える方は足先の冷えや浮腫みを訴えてくることも多いので、踵付近にお灸をしていくと、冷えや浮腫みが改善していきやすい場所になります。持続した効果を狙うのであれば、円皮鍼というシール状の鍼を貼っておくといいのですが、火傷をした場所、靴などで擦れるところは避けておいた方がいいですね。