筋肉の硬結は治療で変化をしていきます―治療中の指標の確認

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 鍼灸でも手技でも治療をするときに、所見として圧痛を指標として取ることがあると思いますが、硬結は治療とともに変化をしていくので、確認をしていくことが大切です。

 最初の頃は、硬結は治療をしても変化をしていかないなと思っていたのですが、最近は硬結自体の変化もあるけど、他の状態も見なければいけないということに気付いたので、見ているようで見ていなかったのだなというのが分かりました。

 

 治療を始めた頃は硬結を探すのも大変ですし、硬結が見つかってもどれが一番硬いのかを鑑別することも出来ないので、どうしていいのか分からなくなってしまいます。治療をして硬結は必ず変化をするのですが、慣れていない頃は、硬結が変化をしたことにも気付くことが出来ないので、現場に出てすぐの方は、硬結の触れ方を知っておくことが必要になります。

 

 まず、最初に触った場所、方向、深さをちゃんと覚えておかないと、次に触るときに、硬結の変化を感じることができないので、慣れていないうちは印を付けて確認をするようにした方が間違える可能性が少なくなります。

 

 治療前と治療後で触るところが違かったのであれば、治療効果があったかどうかを判定することは不可能ですよね。

 

 治療で硬結が一気に改善をすることもあるのですが、通常はタマネギの皮を一枚ずつ剥いていくように硬結の硬さが弱くなったり、小さくなったりしていくのですが、その微妙な変化を読み取るコツは、硬結自体だけではなく、周囲の状況から判断することができます。

 

 具体的には、硬結に行くまでの深さと硬さが変わっていることがあるので、硬結の場所と大きさが同じでも硬結に触れるまでが少し深いときは周囲が弛んできたので、硬結までが深く感じたり、硬結に触れるまでのところが柔らかくなったりするのを感じると思います。

 

 硬結自体が一瞬で無くなるという状況もありますが、通常、硬結は日数を重ねていくことによって作られていくので、硬結が少しでも緩んで、周囲にも緩みが生じてくれば、気血の阻滞をしているところが少なくなるので、気血の循環がよくなることで、治療後も硬結は変化をしていくことになります。

 

 慣れていないうちは、硬結は変わらないなと思っていたのですが、最近は、硬結を治療途中に触れるときに、硬結自体は変わらなくても、表層まで硬かった硬結が深層だけになってきたなと感じることがあるので、治療によって変化もでたし、これで満足だなと思えるようになってきました。

 

 硬結が分かるようになった違いを考えてみると、硬結の大きさが深層から表層まである場合は、表層の硬結が消えて、深部だけになれば、それだけでも大きな変化をしていると捉えることが出来ますし、硬結の上下・左右への幅が縮まっていれば、硬結の中央の硬さが変わっていなくても、今度の治療で改善していくなと思うことが出てきました。

 

 慣れていないときは、硬結を触れようとするので、最初の段階も硬結があるし、治療をどんなに加えても硬結が少しでも残っていれば、硬結は不変に感じてしまうので、治療前後の効果もなかったことになってしまいます。

 

 初心者の方に伝えたいのは、硬結自体の硬さを診るだけではなく、硬結が表層まであるのか、硬結の幅はどうなのかを考えていくと分かるようになっていくでしょうし、表層・深層と分けて身体を触れるようになっていくと、治療中での硬結の変化を見落とすことがないので、治療効果が高いツボを探すことも容易になると思います。

 

 圧痛点を取ったときも同様で、圧痛は治療をすることで完全に消失することもありますが、20~30%の改善という場合もあるので、そういった変化が出ているにも関わらず、圧痛を探すことに集中をして、力を20~30%強くしてしまえば、圧痛は同じぐらいになってしまうので、変化をみていくことができなくなってしまいます。

 

 硬結や圧痛は大切な指標になりますが、指標を取ることに集中するあまり、変化を見逃してしまうのであれば、硬結・圧痛を取った意味がなくなってしまうので、硬結・圧痛を確認するときには、圧痛・硬結以外を注意するためにも、自分が加えている力、深さをしっかりと覚えておくことが大切になります。

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